定期的な検査は誕生月に行うなど家族全員で決めておく

2人に1人ががんになるという今の時代、がん検診などの定期的な検査が大事なことは、なんとなく知っている、という人が多いと思います。そして早期発見がいかに大切かということです。

しかし現在、日本でがん検診を定期的に受けている人は、全体でまだ2~3割程度です。たとえば乳がん検診では、アメリカの受診率は70~80 % といわれます。検診によって早期発見・早期治療が可能になり、アメリカの乳がんによる死亡率は徐々に低下してきています。

イギリスやオランダなどの欧米先進国も、アメリカと同様の受診率を誇っています。それに対して、日本での乳がん検診受診率はわずか20%前後です。子宮頸がん検診もはば同じような数値です。国のほうでも、がん検診の受診を増やそうと種々のキャンペーンを行っており、以前に口では「家族を大切にしている」と言っていたり、実際に休日にどこかに連れて行ったりと家族サービスを細めに行っている方は多くいますが、自分の体や健康に対して普段から十分に気をつけず、定期的な検査も受けないような方は、実は家族に対してかなり無責任であるといわざるを得ません。

病気になってから慌てたのでは、その後の家族に肉体的・精神的・金銭的な大きな負担がのしかかってしまうからです。「がんだとわかるのが怖い」という理由もありますが、がんが怖いのは、命にかかわる状態にがんが進行するまで放置しているからです。

多くのがんは早い段階でわかれば、治療が可能です。また、定期検査で異常がないとわかれば本物の安心が得られるわけですから、いたずらに検査を恐れるのは無益なことです。他に、がん検診未受診の理由には「健康状態に自信があり、必要性を感じない」(24. %)という回答もありましたが、これも何度も繰り返すように、早期のがんには自覚症状がはとんどありません。健康状態に自信がある・なしにかかわらず、受けておくべきなのが、定期的な検査です。

また日本に特有といえるのが「心配な時はいつでも医療機関を受診できる」(22・0%)という回答でしょう。日本には国民皆保険があるため、もしがんを発症しても、他国に比ベれば比較的少ない金銭的負担で医療機関を受診することができます。

しかし、高齢者やがんが増えているわが国では、国民医療費は毎年1兆円という規模で増加し続けています。定期的な検査をきちんと受けたり、がんや病気にならない予防に力を入れて、病院にかからずに済むようになれば、個人の人生においてもメリットが多く、なおかつ国の医療費抑制という社会貢献にもなります。

がんの場合、気になる症状があったら病院を受診する、健康診断で引っかかったら医師に相談する、というのでは受診のタイミングが遅過ぎます。日頃から、定期的な検査や健康維持に必要な検査を活用し、積極的に予防に取り組んでいくことが大切です。

ぜひ定期的な検査を「家族の恒例行事」に加えていただきたいと思います。また「ガンにならない習慣」を、できるところから少しずつでも実践してみてください。それが、がんという病気を遠ざける道です。

日常生活に潜む発がんリスク | ガンにも負けないフコイダンのパワーと効能
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肝臓ガン予防のためにも肝炎ウィルス検査

原発性の肝臓がんは年間に約4万人の方が発病し、3万5千人が亡くなっています。 臓器別死亡者数では、男性では肺癌、胃癌についで第3位、女性では第5位。

そんな肝臓がんを予防する検査ということでは、肝炎ウイルス検査も、一度は受けておきたい検査のひとつです。そして肝臓がんの原因の約9割は、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスなどへの感染です。

肝炎ウィルスは血液や性行為などによって感染します。よくいわれるのは母から子への母子感染や輸血による感染ですが、もっとも多いのは「感染経路が不明」というケースです。

近年は若い世代を中心に、性感染によるB型肝炎ウイルスキャリアが増えているという指摘もあります。こうした肝炎ウィルスに感染していても、基本的には自覚症状はありません。初期の頃は、健康診断の肝機能検査で異常が出ることもありません。そのため感染に気づかないうちに肝臓の炎症が進んでしまい、やがて慢性肝炎や肝硬変、肝臓がんといった深刻な疾患へと進展してしまいます。

しかし、最近ではインターフェロン療法などの治療がめざましく発展しており、早めに感染に気づいて治療を行えば、肝硬変や肝臓がんへの進行を防ぐことができます。早期発見・早期治療のためには、やはり検査が重要になるのです。肝炎ウイルス感染があるかどうかは、血液検査で調べられます。多くの自治体では、肝炎ウィルス検査を無料で行っていますし、治療が必要になった場合に医療費の補助を行っている自治体もあります。

また保健所などで、HIV(エイズウィルス) やクラミジア、梅毒といった性感染症の検査の一環として肝炎ウイルス検査を行っているところもあります。これまで一度も肝炎ウイルスの感染を調べたことがないという人は、一度、自治体に問い合わせて検査を受けておくといいでしょう。

胃や大腸の内視鏡検査を行う際にも、エチケットとして内視鏡検査を受ける全員に肝炎などの感染症の検査が必須となり、内視鏡検査時の採血でも調べることができますので、医師に確認するといいでしょう。

肝臓がん「肝硬変からがんへの変化」 | 健康メモ
https://health-memo.com/2016/08/06/%e8%82%9d%e8%87%93%e3%81%8c%e3%82%93%e3%80%8c%e8%82%9d%e7%a1%ac%e5%a4%89%e3%81%8b%e3%82%89%e3%81%8c%e3%82%93%e3%81%b8%e3%81%ae%e5%a4%89%e5%8c%96%e3%80%8d/

大腸ポリープの切除は大腸ガン予防に有効

ここ最近、急増している大腸がんは、いきなりがんとして現れるのは全体の約1割程度です。残りの9割は、大腸ポリープから徐々に変化して大腸がんに進行していくものです。そのため、がんになる前の大腸ポリープの段階で切除してしまえば、体に負担がかかることなく、大腸がんを防ぐことができます。

大腸ポリープ切除が「究極の大腸がん予防」といわれる所以です。検査で大腸ポリープが見つかったという場合、ポリープの数や大きさ、形などは人によってさまざまです。ポリープがひとつふたつというケースもあれば、10個以上のポリープが発生している人もいます。形状も単純に粘膜が盛り上がっているもの、きのこのように茎のあるもの、また粘膜を這うように広がる扇平なポリープもあります。

大腸ポリープ切除には、検査をしたあとに改めて入院して内視鏡手術を行う方法と、検査と切除を同時に行う日帰り内視鏡手術があります。

かなりの高齢の人や心疾患などの病気がある場合や、ポリープの数や形状により特殊な内視鏡切除を行うケースでは、入院手術が適当な場合もあります。しかし、ポリープの大きさや形状などのいくつかの基準をクリアすれば、日帰り手術で問題ない場合がほとんどであると思われます。

最近では、大腸ポリープを切除するために日を改めての1泊2日入院を推奨する病院が増えてきているように感じます。大腸ポリープ切除後の入院というのは、いわゆる出血や不測の事態がないかの経過観察のための入院であるため、入院中の医療機関側の手間がほとんどかからず、「ただベッドで寝ていて病院にいてもらう」だけの入院ということです。さらにポリープ切除は通常、午後に行う病院が多く、夕方近くに入院して翌日午前中に退院となるので、ベッドの回転率がとてもよくなります(午前と午後にわけて1 日のうちに2 人の患者さんでひとつのベッドを使うことができます)。つまり病院側は入院当日と退院日の2日間の入院費用を算定することができるため、医療業界では、大腸ポリープ切除後の入院は「寝かしておくだけのドル箱入院」とさえもいわれます。「安全、安心のために」を口実に多額の入院費や時間を取られてしまうのは、国の医療費抑制という観点からも疑問を感じざるを得ません。

大腸ポリープは大腸内視鏡の手元から挿入した電気メスや生検紺子といった切除用の器具で切除します。粘膜を切除するというと痛みを感じると思う人も多いようですが、大腸の粘膜には神経がないため、切除で痛みを感じることはありません。ポリープを切除したあとは、大きさによっては、数日間は、飲酒の制限や激しい運動や重い物をもつといった腹部に力がかかる行動は控えるようにするなどの制限がある場合もあります。ポリープの大きさや切除方法などにより、生活の注意点は少しずつ異なりますので医師によく確認してください。また大腸ポリープは一度切除しても、別の場所に別のポリープができることがよくあります。適切な検査間隔で大腸内視鏡検査を受けていくことが肝要です。

大腸がん「開腹手術が圧倒的に減少」 | 健康メモ
https://health-memo.com/2016/07/28/%e5%a4%a7%e8%85%b8%e3%81%8c%e3%82%93%e3%80%8c%e9%96%8b%e8%85%b9%e6%89%8b%e8%a1%93%e3%81%8c%e5%9c%a7%e5%80%92%e7%9a%84%e3%81%ab%e6%b8%9b%e5%b0%91%e3%80%8d/