その4、お酒は控えめに

飲み過ぎはNG

アルコール(酒)の飲み過ぎは、肝臓だけでなく全身に悪影響をおよぼします。WHO(世界保健機関) の調査では、過度の飲酒は口腔がん、咽頭がん、食道がんと関係があるという報告がされています。
もちろん、アルコールの多量摂取と肝臓がんにも関係が認められています。世界がん研究基金による「がん予防のための提言」でも、「飲酒はすすめられない」となっています。お酒は極力控えましょう。
また、酒好きな人は食事やつまみを食べずにお酒だけを飲むことが多いので、栄養バランスが崩れやすく、がんになりやすい体を作る可能性もあります。さらに、飲酒時に喫煙すると悪い因子が相乗的に働いて、さらにリスクを高めてしまいます。いずれにせよ、お酒は適量を守り、強いお酒は水で割って飲むようにしましょう。
二日酔い、悪酔いを防ぐためにも水分摂取が重要です。

その3、食べ過ぎを避け、脂肪は控えめにする

腹八分目が効果的

ラット(ねずみ) による実験で、満腹まで食べさせたグループと、食事量を60%ほどに制限したグループでは、制限をしたグループのほうが発がん率が低く、長生きだったというデータがあります。
また、米国民のがんに対する各種発がん要因の寄与率を推計した研究結果(ハーバード大学、1996年) によると、喫煙が30%、成人期の食事と肥満が30%となっています。さらに、世界がん研究基金の「がん予防のための提言」では「やせと肥満を避ける。成人期の体重増加を5也未満に抑える」としています。
よって、適正な体重の維持は、生活習慣病予防だけでなく、がん予防にも役立つということがわかります。
一方、いわゆる「中年太り」は自然な増加であるともいわれています。5〜10kg程度の増加は、もっと高齢になったときの貯金として考える事もできますが、それを超えているぶんは体重のコントロールが必要になってくるでしょう。

おいしい物も食べ過ぎないように

食事が高脂肪・高エネルギーの国では一部のがんが多く発生し、とくに問題とされているのが脂肪の量です。従来日本人女性の乳がん発症時期は、閉経前6に対して閉経後4 の割合でしたが、最近では5対5になり、アメリカ人女性の4対6に近づきつつあります。原因は閉経期が遅くなったこともありますが、動物性脂肪のとり過ぎが考えられます。
また、脂肪は大腸がん、前立腺がんなどの発生にも関連があることが指摘されています。世界がん研究基金による「がん予防のための提言」には、「高脂肪食品(とくに動物性脂肪) を避け、適量の植物油を使う」とあります。動物性食品に多く含まれる脂肪の過剰摂取は、さまざまながんの危険因子とされています。しかも、免疫細胞の働きを抑制し、発がんを誘発するともいわれています。
脂肪を多くとり過ぎると体重もオーバーしやすいので、適正な体重を維持するためにも注意しましょう。
一方、魚の脂肪成分であるDHA(ドコサヘキサエン酸) やIPA (イコサペンタエン酸、EPAとも) にはがんを抑える働きがあります。
肉や油脂を一切口にしないような極端なことをする必要はなく、とり過ぎにならない程度に食べましょう。

その2、毎日変化の食生活

ワンパターンにならないように変化のある食生活を

だれにでも特定の食品に対して好き嫌いがあるので、どうしても好きなものを多めに、あるいはくり返し食べる傾向があります。問題なのは度が過ぎてワンパターンな食事内容になってしまうことです。
食品中の発がん物質の濃度は一般的に低いのですが、同じ食品ばかり食べているとリスクが高まってしまいます。たとえば牧場で大量にわらびを食べた牛に、勝胱がんが発生して問題になりました。わらびは微量の発がん物質を含んでいますが、少量を時々食べるぐらいでは心配ありません。
しかし、毎日たくさんの量を食べ続けるのは避けたほうがよいでしょう。逆に、にんじんにはがん予防効果が高いとされるβカロテンなどのカロテン類が多いからといって、にんじん中心の食事にするのではなく、それ以外の緑黄色野菜からもカロテン類をとることが望ましいのです。
ほかの緑黄色野菜から、カロテン類以外の発がんを抑制する成分や健康増進に貢献する成分を得ることができ、それぞれの成分による体内での相乗効果も期待できるからです。
つまり、さまざまな食品を取り入れて変化に富んだ食事にすれば、同じ発がん物質を食べてしまう機会や量が減り、リスクが下がります。また、さまざまな栄養素を補給することもできるので、自然に栄養のバランスが取りやすくなります。食品やメニューに変化をもたせて、品数の豊富な食生活を心がけましょう。

食事を回転させてみる

毎日変化のある食事をするコツのひとつに「回転食」という食べ方があります。朝がハムエッグなら昼は豚肉のしょうが焼き、夕食はお刺身、というようにし、3日~1 週間以上のローテーションで同じメニューが重ならないようにする方法です。家庭で前日の残りを食べることはよくあることですが、まったく同じメニューにするのではなく、残り物に1〜2品を加えて同じ食品が重ならないようにするのがおすすめです。必然的に多品目を食べることになり、リスクを分散させることができるようになります。