香り成分に抗酸化作用「しそ」

しそ特有の香り成分であるテルペン類( シリアルアルデヒド、リモネン、ピネン) には、強力な殺菌作用があります。このテルペン類は動物実験で発がんを抑制する効果が認められ、細胞のがん化を促す活性酸素を無毒化する高い抗酸化効果があると考えられており、青じそと赤じその両方で効果が期待できます。

しそ科の香辛料( ローズマリーやセージなど) にも、動物実験ではありますが、一部のがんに対する抑制効果が確認されている物質が豊富に含まれています。
これらは油に溶けやすいので、魚の調理や妙め物など抽を使った料理の薬味に使うと効果的です。
青じそにはがんを増殖させる物質を抑制するオレアノール酸も含まれ、β-カロテンやビタミンC 、ビタミンEなども豊富なので、抗酸化力がさらにパワーアップします。

ガンに負けない食品たち

がんと闘う植物性食品ではにんにく、キャベツ、甘草、大豆、しょうがを特に強力であると紹介しましたがこれはアメリカのデザイナーズプログラムが基礎にあります。

デザイナーフーズプログラムは、アメリカ主導の研究なので、日本では日常的に食べていても、アメリカではほとんど食べない食品はリストから抜けています。
例えば海藻類や、きのこ類、野菜類です。このほか、リスト中のブロッコリーに含まれ、高いがん予防効果があることが確認された成分は、同じアブラナ科の野菜であるわさびやだいこん、かぶにも多く含まれていることがわかっています。
ですから「リストにないので効果がない」と判断しないようにしてください。
このように、食品の植物学上の分類が同じであれば似通った成分を含んでいる可能性は大きく、また、未知の成分も今後発見されるかもしれません。各食品にはさまざまな成分が存在し、食べる食品の種類が増えることで体内で補完し合ったり、相乗効果をもたらしていることを忘れないようにしてください。

デザイナーフーズ以外でガンの予防が期待できる野菜類

    野菜類

  • ユリ科:にら、ねぎ、グリーンアスパラガス
  • ナス科:ししとうがらし、とうがらし
  • セリ科:せり、パセリ、みつば
    アブラナ科:だいこん、かぶ、わさび、ちんげんさい、ラディッシュ、小松菜、クレソン、かいわれ菜、白菜
  • ウリ科:かぼちゃ、とうがん、にがうり
  • キク科:ごぼう、しゅんぎく、ふき、れた、レタス、サラダ菜、ふきのとう、サニーレタス
  • きのこ類

  • しいたけ、えのきたけ、マッシュルーム、まつたけ、しめじ、まいたけ、エリンギ、なめこ
  • 海藻類

  • わかめ、昆布、とろろ昆布、ひじき、もじく、のり、めかぶ
  • 香辛料・ハーブ類

  • 青じそ、みょうが、カレー粉、ミント、ローリエ
  • 穀類・豆類・種実類

  • 雑穀、とうもろこし、そらまめ、グリーンピース、さやえんどう、さやいんげん、えだまめ、豆腐、納豆、生揚げ、きなご、ごま
  • 果実類

  • 柑橘類:すだち、かぼす、ライム、みかん
  • 嗜好品

  • ココア

こうした食品を十分に食べる機会がない人などは「野草酵素」などもおすすめです。人間の生活に欠かせない触媒としての酵素を高い品質を維持した状態で摂ることができます。

がんと闘う植物性食品

1990年から、アメリカの国立がん研究所を中心に、「デザイナーフーズプログラム」として、食品、栄養、薬理、遺伝、生化学などの専門家が垣根を越えて、食品中のがん予防に役立つ機能性成分やその作用を突き止めようと研究が進められました。
そして、ふだん食べている食品のなかにある、がんから身を守る成分が次々と明らかになってきたのです。

いわゆるガン抑制やガン防止にも注目されているファイルケミカルによる免疫アップとは少し異なるのが特徴ですが、共通している部分も多々あります。
人の体の免疫力を高めたり、活性酸素を抑えるといった食品は当然、野菜や海藻に多く含まれ、動物性のたんぱく質などにはほとんど含まれないのが特徴です。ガン患者は、ガンが発覚した時点でこれまでの食習慣や生活習慣を180度かえていく必要があります。そのときに重要なのが食習慣であり、こうした植物性の食品になります。ただし、可能な限り農薬を使用しない無農薬の野菜を食べるようにします。
最近では、オーガニックの野菜の通販(あんしん・おいしい・たのしい大地を守る会のお試し野菜セット980円から
)などもあるので利用してもいいかもしれません。
その際にオーガニックであるか、減農薬であるか?無農薬であるか?をしっかり確かめて購入したほうがいいでしょう。

発がん物質を無害化できる効能は、野菜・きのこ、豆類、海藻類、果物類に多く含まれるので意識して食べるようにします。

「デザイナーフーズピラミッド」とは、がん予防に期待できる植物性食品を重要度別に分類し、疫学調査の結果をもとにピラミッド状に図示したもので、頂点に近いものほどがん予防への重要度は高いとされています。ただし、まだ解明されていない食品や成分もあり、今後の研究を待つ必要があります。ふだん食べている身近な野菜や果物、お茶、香草科にも予防効果が期待できる、という程度に覚えておくとよいですね。
ピラミッドの上に位置する食品別に。

  • にんにく、キャベツ、甘草、大豆、しょうが
  • にんじん、セロリ、バースニップ
  • たまねぎ、茶、ターメリック、玄米、全粒小麦、亜麻
  • オレンジ、レモン、グレープフルーツ
  • トマト、なす、ピーマン
  • ブロッコリー、カリフラー、芽キャベツ
  • メロン、バジル、タラゴン、エンバク、ハッカ、オレガノ、きゅうり、タイム、アサツキ、ローズマリー、セージ、じゃがいも、大麦、ベリー類