ベスタチン(一般名:ウベニメクス)

古いが最近注目されている分枝標的薬

製造・販売元
日本化薬式会社
対象患者
  • 成人急性非リンパ性白血病
用法
カプセルを服用する
有効率
(寛解時期)50% 寛解期間は21ヶ月、4年長期寛解率は33ヶ月、4年長期生存率は46.1%、5年生存率は36.1%
副作用
  • 肝臓障害(AST(GOT)、ALT(GPT上昇など)
  • 皮膚障害(発疹、発赤、掻痒感)
  • 消化器障害(悪心、嘔吐、食欲不振など)
コスト
1,857円
禁忌
なし

ベスタチンの紹介

ベスタチンは、成人急性非リンパ性白血病に使われる経口薬です。現在は免疫賦括剤として使用されています。ベスタチンは「アミノペプチターゼ」という酵素を阻害しますので、その酵素がたくさん発現しているガンに効くとされています。

副作用はほとんどない

現在は残念ながら、成人急性非リンパ性白血病にしか保険が承認されていません。しかし肺ガンに対しても、有効性を確かめる試験が現在行われて申請されています。薬の長所としては、副作用がほとんどなく、また飲み薬であること、さらに、2年間ほど飲みつづけると、手術後の再発率が非常に低くなるということがいわれています。

副作用としては、まれに蕁麻疹が出ることなどが知られています。投与しても血液の濃度がなかなか上がらないので、保険で承認されている約3倍の量を使うことが必要だと考えられています。現在さまざまなガンに使われているへいよう抗ガン剤を、ベスタチンと併用する場合があります。

併用する薬の代表例としては、急性非リンパ性白血病の場合には、ダウノルビシンやキロサイドといった白血病の薬剤と併用することが多いです。将来的には、おそらく大腸ガンや肺の扁平上皮ガンで、保険が承認される可能性が高いです。

投与中の日常生活

入浴については全く気をつける必要はありません。食事もとくに気をつける必要はありません。運動も全く気をつける必要はありません。車の運転、飲酒、喫煙も同様です。

フルツロン(一般名:ドキシフルリジン)

消化器ガン、乳ガンの経口治療薬

製造・販売元
日本ロシュ株式会社
対象患者
  • 胃ガン
  • 結腸・直腸ガン
  • 乳ガン
  • 子宮頸ガン
  • 膀胱ガン
用法
カプセルを服用
有効率
14.3%(胃ガン)、39.5%(乳ガン)、29.6%(膀胱ガン)など
副作用
  • 下痢
  • 白血球減少
  • 食欲不振
コスト
726.6円
禁忌
  • フルツロンの成分に対し、重篤な過敏症の既往歴がある
  • テガール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤が投与中、中止後に7日以内

フルツロンの紹介

フルツロンは胃ガンや大腸ガン、乳ガン、子宮頚ガンなどで治療を希望する患者さんに最も多く使われている薬の1つです。とくに外科医が術後に、1日3~4回に分けて投与する例が非常に多い薬の1つです。

通院治療で処方が可能

フルツロンは副作用が非常に軽いということで、通院治療で処方できるということが利点の1つです。短所はとくにありません。一般にはフルツロンだけでは、10数% から30% くらいの有効率です。

乳ガンではエンドキサンを併用したり、大腸ガンや直腸ガンではカンプトなど、ほかの薬をいっしょに投与する場合があります。

フルツロンも含めて、5-FUの系列のきそ薬はすべて、治療の基礎となる薬の1つです。

一般には今後、併用療法がどんどん広げられていくことが考えられます。下痢や食欲不振があまり強い場合には、フルツロンを投与することができません。しかし一時的に中止したり、投与する量を減量するとまた症状が軽くなります。
そのため長く使用することができます。フルツロンは配合剤からできています。それは5-FU単独にくらべるとフルツロンの利点となるのですが、逆に配合されている薬のうち、どれかにアレルギーがあると使えないという場合があります。

投与中の日常生活

入浴や車の運転、喫煙にはとくに気をつける必要はありません。食事については、フルツロンを投与しはじめたころに軽い吐き気などがあるようであれば、食欲の出るようなものに切り替えたり、また飲酒をひかえたりする必要があります。
日光は手足症候群が出たかどうかで、ひかえるかどうかを決めたほうが良いと思います。