スタラシド(一般名:シタラビン オクホスファート)

白血病、骨髄異形成症候群など、老人例に有効

製造・販売元
日本化薬株式会社
対象患者
    • 成人性リンパ性白血病
    • 骨髄異形成症候群
用法
カプセルを服用する
有効率
20.8%(急性リンパ性白血病)、28.9%(骨髄異形成症候群)
副作用
  • 血小板減少
  • 食欲不振
  • 悪心
  • 嘔吐
  • ヘモグロビン減少
  • 赤血球減少
  • 発熱
  • AST(GOT上昇
  • alt(GPT上昇)
  • 倦怠感
  • LDH上昇
コスト
534,3円
禁忌
スタラシドに対して重篤な過敏症の既往歴のある患者。

スタラシドの紹介

スタラシドは、日本にしかない薬です。カプセルで飲める量がかぎられているので、1回の投与量は非常に少なく、長期間にわたって、一般には数週問から月単位で服用しないと効果が出てきません。強い治療を希望されない方、とくにキロサイドなどの注射などひかくができない方などで、比較的よく使われる経口薬の1つです。

副作用が非常に少ない

スタラシドはまだ日本にしかない薬ですので、世界的に認められているわけではありません。スタラシドは、キロサイドという薬の誘導体です。キロサイドは点滴または注射でしか効果がありませんが、スタラシドは経口薬として使われるようになりました。
現在、成人の急性非リンパ性白血病、骨髄異形成症候群という前白血病状態で保険が承認されています。非常にゆるやかに効くので、副作用が非常に少ないことがスタラシドの長所です。
一方、効果が弱いので、非常にはげしい病気には全く無効であるということが短所になります。

ペラゾリンという薬が悪性リンパ腫などにまれに使われることがありますが、スタラシドとベラゾリンをいっしょに使うと、副作用が強く出て消化管出血をおこすことがあります。

ただし一般には、両方の薬をいっしょに使うことはありません。スタラシドとは、ベスタチンが併用される場合があります。また現在はまだ使われていませんが、分子標的薬のグリペックと併用すると、慢性骨髄性白血病で非常に有効である可能性が高いと考えられています。

投与中の日常生活

入浴については、とくに気をつけることはありません。食事については、できるだけ刺激性の少ないものを食べげりましょう。人によって、まれに下痢や食欲不振がおきることがあるからです。運動や車の運転、飲酒、喫煙などは気をつけることはありません。

キロサイド(一般名:シタラビン)

白血病の特効薬として、また今後リンパ腫にも

製造・販売元
日本新薬株式会社
対象患者
  • 急性白血病
  • 消化器ガン
  • 肺ガン
  • 乳ガン
  • 女性器ガン
  • 膀胱腫瘍
用法
静脈内に点滴投与、またはワンショットで投与する。1回の点滴に要する時間は30分~1時間程度。膀胱腫瘍の場合は、膀胱内に注入する。
有効率
60.7%(急性白血病)、39.2%(消化器ガン)、72.7%(女性器ガン)、30.6%(膀胱腫瘍)など
副作用
  • 悪心
  • 食欲不振
  • 膀胱内注入の場合、白血球減少、膀胱刺激症状
コスト
4,125円
禁忌
キロサイドに対する重篤な過敏症の既往歴のある患者。

キロサイドの紹介

キロサイドは最も古くから使われている薬の1つで、1940年代から使用されています。急性白血病や肺ガン対して、代表的な薬の1つとして知られています。現在も中心的な薬の1つです。

急性白血病など60%の有効率

キロサイドは、静脈内に点滴投与またはワンショット(1回)で投与します。アメリカでは早くから認められていた、中等度もしくは大量の投与が、最近日本でも認められるようになり、有効率が高くなってきました。

とくに急性白血病や悪性リンパ腫では、60%以上の有効率を示します。

主な副作用としては、悪心、嘔吐などがあります。キロサイドを高濃度に入れますと、中枢神経系、とくに脳脊髄液中に約1% から0.1% 、キロサイドが分布することによって、嘔吐が強く出たりします。

一方で、頭の中にもキロサイドが行きますので、頭の中に病気がある場合でも効果があることがあります。また刺激性が比較的少ないので、脳脊髄液の中に直接、少量の薬を入れる場合があります。これは「髄腔内投与」といいます。

比較的コントロールしやすい薬

キロサイドは、点滴や注射をすると、すぐに血中濃度が上がるという利点があります。逆にいうと、ワンショットもしくは短時問で点滴した場合には、非常に短い時問で血中濃度が高くなります。濃度が低くなるのも早いです。

逆に24時問持続点滴をしますと、非常に長く有効性が保たれます。比較的コントロールがしやすい薬です。キロサイドは、ほかの薬と組み合わせることによって非常に効果を発揮します。併用する薬の代表例としては、急性白血病ではイダルビシンやダウノルビシン、急性リンパ性自血痛では、アドリアシン、リンパ腫では、プラトシンといった白金製剤といっしょに使われます。

血中に投与するものとしては、キロサイドは将来的にもこのまま残っていくでしょう。経口薬としては、スタラシドという薬がQOLを改善するためしに開発されています。また、脂肪にとける形にしたものが現在開発中です。
これは中枢神経に転移したガンや白血病に対して、有効率が非常に高くなっています。現在注目されている薬の1つで、デポサイトとよばれています。
投与中の日常生活
キロサイドの投与中、ほとんどの場合は入院生活をします。外来で点滴をする場合には、約2週間後に白血球減少が非常に強く出ますので、一般には食物や入浴などの制限があります。感染症に気をつけましょう。膀胱内注入の場合には、膀胱刺激症状がありますので、その後出血性膀胱炎や、膀胱炎の症状が出ることがあります。