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プラトシン/ブリプラチン/ランダ(一般名:シスプラチン)

代表的な白金製剤の1つ。多くのガンに有効な薬

製造・販売元
  • 販売元(協和発酵株式会社)
  • 販売元(日本化薬株式会社)
対象患者
  • 睾丸腫瘍
  • 膀胱ガン
  • 腎盂・尿管腫瘍
  • 前立腺ガン
  • 頭頸部ガン
  • 非小細胞ガン
  • 食道ガン
  • 骨肉腫
用法
静脈に点滴注射する。1回の点滴に要する時間は1.5時間~2時間
有効率
30~60%
副作用
  • 急性腎不全
  • 汎血球減少などの骨髄抑制
  • 聴力低下
  • 難聴など
コスト
17,960
禁忌
  • 重篤な腎障害がある
  • プラトシンの成分または他の白金を含む薬剤に対して過敏症の既往歴がある
  • 妊婦または妊娠の可能性がある

プラトシン/ブリプラチン/ランダの紹介

この薬は、睾丸腫瘍や肺ガン、悪性リンパ種、神経芽細胞腫、胃胃ガンなどの代表的なガンで最も強く作用する薬です。

腎障害があると投与できない

この薬は腎臓から排泄されますので、重篤な腎障害がある場合には投与できません。薬を選ぶ場合に、腎障害がないことが基準になります。

尿素窒素やクレアチニンなどの物質の血中濃度ではかるだけでなく、24時間尿から尿中にクレアチニンがどれくらい出ているかを計算して「クレアチニン・クレアランス」という値を出します。その値がある程度以上ないと、この薬を投与できません。

どうしても投与する場合は、値によって投与量を計算して投与することになります。腎臓から排泄されますので、急性腎不全をおこすことがあります。それに注意をするために、点滴の水分量を多くすることが必要です。

この薬は、吐き気を最も強くおこす薬の1つです。そのため、静脈に点滴注射をする場合には、ある程度時間をかけて行うこと、またこの薬を点滴すおうとる前に必ず嘔吐を止める薬を点滴することが重要です。

有効率は非常に高く、この薬が入っていますと、30~40% 以上有効です。
最近ではこの薬が単剤で使われることは少なくなっています。胃ガンでは5-FUの併用、肺ガンでもこの薬以外に、カルボプラチンやフィルデシンなどの別の薬と併用したり、りしゆンパ腫の場合にはサイドシンやアラノシン、キロサイドといった薬と併用することが増えています。

投与中の日常生活

この薬は腎臓に負担をかけるために、脱水症にならないように気をつける必要があります。脱水症になると腎臓に行く血液量が減りますので、腎臓からこの薬の排泄が悪くなります。

この薬剤の血中濃度が高くなると効きすぎてしまいます。そのため、水分を多くとるということが重要です。重篤な腎障害がある場合には、この薬を投与してはいけません。

この薬が、たとえば1日しか投与されてはいけないものが3日も投与されたり、5日投与するという治療内容なのにそれ以上に長く投与されますと、
重篤な腎障害が出ます。その場合、気づいた時点で至急対応しないと、腎臓の機能が戻らなくなることがあります。

アドリアシン(一般名:塩酸ドキソルビシン)

最もよく使われる抗ガン剤の1つ

製造・販売元
協和発酵株式会社
対象患者
  • 悪性リンパ腫(細網肉腫、リンパ肉腫、ホジキンリンパ種)
  • 肺ガン
  • 消化器ガン(胃ガン、胆嚢・胆管ガン、すい臓ガン、肝ガン、結腸ガン、直腸ガン)
  • 乳ガン
  • 膀胱腫瘍
  • 骨肉腫
用法
  • 静脈内にワンショット投与する。
  • 膀胱腫瘍では膀胱内に注入する。
  • 有効率
    46.7%(リンパ肉腫)50.0%(乳ガン)、59.3%(膀胱腫瘍など)
    副作用
    • 脱毛
    • 白血球減少
    • 悪心
    • 嘔吐
    • 食欲不振
    • 口内炎
    • 血小板減少
    • 貧血
    • 赤血球減少
    • 心電図異常
    • 心筋障害(心不全)
    • 貧血
    • 出血

    • ショックなど
    コスト
    5630円
    禁忌
    • 心機能異常またはその既往歴のある患者
    • アドリアシンの成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者

    アドリアシンの紹介

    アドリアシンは抗ガン剤の中でも、最も広く使われているものの1つです。悪性リンパ腫や肺ガン、消化器ガン、肝臓ガン、膀胱腫瘍、骨肉腫、乳ガンなど、たくさんの病気に保険の適用が認められています。アドリアシンは、単剤でも最も有効率の高いものの1つですが、単剤で投与することは少なくなっています。

    他の薬との併用が多い

    乳ガンでは、エンドキサン、5-FUとの3剤併用、悪性リンパ腫では、CHOP療法が標準治療になっています。CHOP療法は、アドリアシンのほかに、オンコピンやエンドキサンやプレドニンといった、4つの薬を併用する治療法です。

    現在では多くの薬剤が、アドリアシンを使った場合をコントロール群と比較試験に用いるくらい有名な薬です。抗ガン剤を開発するときに、アドリアシン単剤とくらべて現在開発中の薬がさらによく効くかどうかということを検討する基準になるというくらい有名な薬剤です。

    投与前に心機能検査が必要

    静脈内に注射で投与することが多いのですが、ゆっくり投与しないとアメリカ人や肥満の方では心筋梗塞をおこした例が報告されています。また心毒性がありますので、投与する前に必ず心機能に異常がないかどうか検査しなければいけません。

    たとえば、心臓の超音波検査や心筋シンチグラフなどの心臓機能検査を受けてから、アドリアシンを投与できるかどうかを決定することが多いようです。膀胱内への注入では、膀胱ガンの部分にこの薬を投与しますと、腫瘍が、壊死をおこします。そのために、膀胱の刺激症状をおこしたり、残尿感などの副作用がおこります。アドリアシンの副作用には、非常に強い脱毛と吐き気があるので、必ず投せ与前には制吐剤(吐き気止め)を投与します。

    投与中の日常生活

    アドリアシンは、脱毛や白血球減少、悪心、嘔吐といった副作用が非常に強いので、入浴はひかえめにしましょう。食事では、粘膜を刺激するような辛いものや塩分の多いもの、熱いものはとらないほうが良いでしょう。

    アドリアシンを投与中は、悪心や嘔吐が強くでるので、飲酒もさけたほうが良いでしょう。アドリアシンを投与中に日光に当たると、脱毛につづく皮膚の障害が強くでることがあるので、日光にも当たらないほうが良いでしょう。

    さらに、心機能異常がでるので、投与中は強い運動をしないほうが無難です。歩くときもゆっくり歩くように心がけましょう。車の運転にはとくに差し支えありません。