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フルツロン(一般名:ドキシフルリジン)

消化器ガン、乳ガンの経口治療薬

製造・販売元
日本ロシュ株式会社
対象患者
  • 胃ガン
  • 結腸・直腸ガン
  • 乳ガン
  • 子宮頸ガン
  • 膀胱ガン
用法
カプセルを服用
有効率
14.3%(胃ガン)、39.5%(乳ガン)、29.6%(膀胱ガン)など
副作用
  • 下痢
  • 白血球減少
  • 食欲不振
コスト
726.6円
禁忌
  • フルツロンの成分に対し、重篤な過敏症の既往歴がある
  • テガール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤が投与中、中止後に7日以内

フルツロンの紹介

フルツロンは胃ガンや大腸ガン、乳ガン、子宮頚ガンなどで治療を希望する患者さんに最も多く使われている薬の1つです。とくに外科医が術後に、1日3~4回に分けて投与する例が非常に多い薬の1つです。

通院治療で処方が可能

フルツロンは副作用が非常に軽いということで、通院治療で処方できるということが利点の1つです。短所はとくにありません。一般にはフルツロンだけでは、10数% から30% くらいの有効率です。

乳ガンではエンドキサンを併用したり、大腸ガンや直腸ガンではカンプトなど、ほかの薬をいっしょに投与する場合があります。

フルツロンも含めて、5-FUの系列のきそ薬はすべて、治療の基礎となる薬の1つです。

一般には今後、併用療法がどんどん広げられていくことが考えられます。下痢や食欲不振があまり強い場合には、フルツロンを投与することができません。しかし一時的に中止したり、投与する量を減量するとまた症状が軽くなります。
そのため長く使用することができます。フルツロンは配合剤からできています。それは5-FU単独にくらべるとフルツロンの利点となるのですが、逆に配合されている薬のうち、どれかにアレルギーがあると使えないという場合があります。

投与中の日常生活

入浴や車の運転、喫煙にはとくに気をつける必要はありません。食事については、フルツロンを投与しはじめたころに軽い吐き気などがあるようであれば、食欲の出るようなものに切り替えたり、また飲酒をひかえたりする必要があります。
日光は手足症候群が出たかどうかで、ひかえるかどうかを決めたほうが良いと思います。

プラトシン/ブリプラチン/ランダ(一般名:シスプラチン)

代表的な白金製剤の1つ。多くのガンに有効な薬

製造・販売元
  • 販売元(協和発酵株式会社)
  • 販売元(日本化薬株式会社)
対象患者
  • 睾丸腫瘍
  • 膀胱ガン
  • 腎盂・尿管腫瘍
  • 前立腺ガン
  • 頭頸部ガン
  • 非小細胞ガン
  • 食道ガン
  • 骨肉腫
用法
静脈に点滴注射する。1回の点滴に要する時間は1.5時間~2時間
有効率
30~60%
副作用
  • 急性腎不全
  • 汎血球減少などの骨髄抑制
  • 聴力低下
  • 難聴など
コスト
17,960
禁忌
  • 重篤な腎障害がある
  • プラトシンの成分または他の白金を含む薬剤に対して過敏症の既往歴がある
  • 妊婦または妊娠の可能性がある

プラトシン/ブリプラチン/ランダの紹介

この薬は、睾丸腫瘍や肺ガン、悪性リンパ種、神経芽細胞腫、胃胃ガンなどの代表的なガンで最も強く作用する薬です。

腎障害があると投与できない

この薬は腎臓から排泄されますので、重篤な腎障害がある場合には投与できません。薬を選ぶ場合に、腎障害がないことが基準になります。

尿素窒素やクレアチニンなどの物質の血中濃度ではかるだけでなく、24時間尿から尿中にクレアチニンがどれくらい出ているかを計算して「クレアチニン・クレアランス」という値を出します。その値がある程度以上ないと、この薬を投与できません。

どうしても投与する場合は、値によって投与量を計算して投与することになります。腎臓から排泄されますので、急性腎不全をおこすことがあります。それに注意をするために、点滴の水分量を多くすることが必要です。

この薬は、吐き気を最も強くおこす薬の1つです。そのため、静脈に点滴注射をする場合には、ある程度時間をかけて行うこと、またこの薬を点滴すおうとる前に必ず嘔吐を止める薬を点滴することが重要です。

有効率は非常に高く、この薬が入っていますと、30~40% 以上有効です。
最近ではこの薬が単剤で使われることは少なくなっています。胃ガンでは5-FUの併用、肺ガンでもこの薬以外に、カルボプラチンやフィルデシンなどの別の薬と併用したり、りしゆンパ腫の場合にはサイドシンやアラノシン、キロサイドといった薬と併用することが増えています。

投与中の日常生活

この薬は腎臓に負担をかけるために、脱水症にならないように気をつける必要があります。脱水症になると腎臓に行く血液量が減りますので、腎臓からこの薬の排泄が悪くなります。

この薬剤の血中濃度が高くなると効きすぎてしまいます。そのため、水分を多くとるということが重要です。重篤な腎障害がある場合には、この薬を投与してはいけません。

この薬が、たとえば1日しか投与されてはいけないものが3日も投与されたり、5日投与するという治療内容なのにそれ以上に長く投与されますと、
重篤な腎障害が出ます。その場合、気づいた時点で至急対応しないと、腎臓の機能が戻らなくなることがあります。