日本発の経口の胃ガンに対する抗ガン剤
- 製造・販売元
- 大鵬薬品工業株式会社
- 対象患者
-
- 胃ガン
- 頭頸部ガン
- 用法
- カプセルを服用する。
- 有効率
- 46.5%(胃ガン)、34.1%(頭頸部ガン)
- 主な副作用
-
- 白血球減少
- 好中球減少
- ヘモグロビン減少
- 血小板減少
- 食欲不振
- 悪心
- 嘔吐
- 下痢
- 口内炎
- 色素沈着
- 発疹
- コスト
- 917円
- 禁忌
- TS-1の成分に対して重篤な過敏症の既往歴がある患者。重篤な骨髄抑制がある患者。重篤な腎障害がある患者。重篤な肝障害がある患者。ほかのフッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤を投与中の患者。フルトシンを投与中の患者。妊婦または妊娠している可能性のある婦人。
TS-1の紹介
TS-1は、日本発の経口の抗ガン剤です。胃ガンや頭頸部ガンに用いられていますが、乳ガンや大腸ガンにも保険の適用を拡大するための臨床試験が行われています。
経口薬としては有効率が高い
TS-1の成分自体は、5-FUと類似のものの合剤からできています。成分を2つ入れることによって作用を増強しようという試みから合成された薬の1つです。
一般に、5-FUよりも白血球減少、好中球減少、血小板減少が強く出ることがあります。TS-1は、胃ガンや頭頸部ガンで35% から45% と、経口薬としては有効率が高いので、最近では注目されています。
TS-1の短所として、肝障害が重篤に出る場合があります。そのため、黄痘のある症例や、肝障害がある場合には、投与が禁忌となります。現在は、ほかの薬と併用するのではなく、この薬だけで治療を行うのが代表的です。将来的には、カンプトやプラトシンなどのような強力な薬と併用して、胃ガンや大腸ガン、乳ガンなどでいっしょに使うとよいのではないかということで、臨床試験が計画されています。
投与中の日常生活
入浴については、とくに気をつけることはありません。TS-1を投与している間、口内炎や下痢、悪心、嘔吐がまれに出ることがあります。その場合には、食事を少し控え目にします。
運動はとくに気をつけることはありませんが、急激にヘモグロビン減少がおきることがありますので、運動量には注意しましょう。
車の運転、飲酒や喫煙にはとくに問題はありません。ただし肝障害がある場合には、飲酒ができなくなります。