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ノイアップ(一般名:ナルトグラスチム)

同じ薬剤でノイトロジン(一般名:レノングラスチム)、グラン(一般名:フィルグラスチム)もあります。

ノイアップ 遺伝子工学的につくられた白血球増加剤

製造・販売元
協和発酵工業株式会社
対象患者
骨髄移植時の好中球数減少症、小児再生不良性貧血にともなう好中球減少症、先天性特発性好中球減少症
用法
皮下注射が多いが30分くらいで点滴することもある。
有効率
ガン化学療法による好中球減少症に対する有効率100%(卵巣ガン)、100%(横紋筋肉腫)、92.7%(悪性リンパ腫全般)
副作用
  • 発熱
  • 腰痛
  • 胸痛
  • 筋肉痛
  • 食欲不振
  • LDH上昇
  • 間質性肺炎
コスト
13,000円
禁忌
本剤または、ほかの顆粒球コロニー形成刺激因子製剤に過敏症の患者

ノイアップ の紹介

この薬は、骨髄移植後の好中球数の増加促進や化学療法にともなう好中球減少、再生不良性貧血などの好中球減少に有効な薬です。

投与した人のほぼ100% で白血球がふえる

静脈内に点滴注射をする場合と、皮下投与する場合があります。皮下注射では、静脈注射にくらべると約3分の1と少ない量で同じ効果を出すことができます。ただし注射をすると、出血するような血小板が少ない場合には、静脈内に点滴注射をすることが多いので、皮下投与と静脈投与と2つの方法で投与します。

この薬を投与した方のほとんど100% で白血球を増やすことができます。増えすぎて発熱や腰痛、骨痛、筋肉痛といった副作用が出ることがあります。まれに白血球が増えすぎて何万にもなりますと、問質性肺炎をおこすことがあります。

この薬は大腸菌の遺伝子組み替え産物なので、大腸菌のタンパク質に対するアレルギーがあると過敏症が出ることがあるので、投与できません。この薬は白血球が減ってから使うと、効果が上がるのに時問がかかりますが、少し低めになったときに予防的に使いはじめると、抗生物質の点滴を少なくできたり、入院期問を短くするということができるという利点があります。現在では、ガンの種類による制限はまったなく、すべてのガンの化学療法のあとに使って良いことになっています。一般には白血球が2000、好中球の値が1000以下になったときに保険の適応になります。

投与中の日常生活

この薬の投与中は、白血球が減少して感染にかかりやすくなっています。皮膚や肛門の周囲を洗ったり、うがいをしたりしてなるべく清潔にしましょう。ただし、長時間入浴すると疲れるので、入浴は短めにし、毎日シャワーを浴びるようにしましょう。

食事は、生野菜などの細菌がついている可能性があるものや、納豆・ヨーグルトといった生菌の含まれているものは避け、加熱したものを食べたほうがよいでしょう。日光に関する制限はありません。

車の運転は問題ありません。喫煙・飲酒はひかえましょう。この薬の投与中は肺に負担がかかり問質性肺炎をおこすことがあるで、とくに喫煙はさけたほうがよいでしょう。この薬を投与されているということは、強い化学療法を受けているということなので、運動もさけたほうが無難です。

ラステット(一般名:エトポシド)

再発例に有効な経口抗ガン剤

製造・販売元
日本化学株式会社
対象患者
  • 小細胞肺ガン
  • 悪性リンパ腫
  • 子宮頸ガン
用法
カプセルを服用
有効率
25.0%(小細胞肺ガン)、5日間投与で44.3%、21日間投与で53%(悪性リンパ腫)、23.5%(子宮頸ガン)
副作用
  • 白血球減少
  • 貧血
  • 悪心
  • 吐き気
  • 嘔吐
  • 倦怠感
  • 口内炎
  • ヘモグロビン減少
  • 血小板減少
  • 脱毛
  • 食欲不振 など
16,614円
テキスト
禁忌
重篤な骨髄抑制がある。ラステットに対する重篤な過敏症の既往歴がある。妊婦または妊娠している可能性がある。

ラステットの紹介

ラステットは、リンパ腫や白血病の再発例に有効な経口の抗ガン剤のひとつで使用頻度の高い経口抗ガン剤。

よいQOLをめざした外来治療で使われる

一般には高齢者で強い治療ができない方、あるいはこれまでに強い治療が行われて再発した場合の外来での治療薬として処方されることが多い薬です。

よいQOLを目標とした外来の治療でよく使われます。悪性リンパ腫、子宮ガン、肺ガンの再発例などで使われます。1週間や2週間、もしくは4週間つづけて投与することがあります。
ただし、急に白血球が減少する場合がまれにありますので、定期的に白血球減少がないかどうかを血液検査でチェックする必要があります。

1種類の薬としては、1回の投与で比較的有効性が高いことが長所です。一方で、ラステット以外の別の薬と併用すると、下痢が強く出ることがあります。ほかの薬と併用されることはあまりなく、単独で使うことが多い薬です。

ウィルス感染症にかかっていたり、ほかの抗がん剤を服用している場合にラステットを投与されますと、強い骨髄抑制が出ることがありますので、必ずほかの薬を飲んでいるかどうかを聞いてから使うことが必要です。

まれな副作用として、食欲不振と下痢が投与の最初のころにある場合があります。最近注目されている肺腺ガンの薬で、イレッサがあります。イレッサが保険で承認されたのち、そのような薬だけでは十分な治療効果が出ない場合に、ラステットなどの経口の抗ガン剤との併用が考えられています。
今後は、そのような臨床試験が行われることになると思います。

投与中の日常生活

入浴ではとくに気をつけることはありません。ラステットは副作用として口内炎がおきることがあります。口内炎がおきたときは、レモンなどビタミンCを含むものや、酸味の強いものを食べると痛くなりますので気をつけましょう。
運動ではとくに気をつけることはありませんが、まれに副作用で貧血がおきることがあります。車の運転や飲酒、喫煙ではとくに気をつけることはありません。