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タキソテール(一般名:ドセタキセル水和物)

微少感薬剤の中で最も有望

製造・販売元
アベティンス ファーマ株式会社
対象患者
  • 乳ガン
  • 非小細胞肺ガン
  • テキスト
  • 卵巣ガン
  • 胃ガン
  • 頭頸部ガン
用法
静脈内に点滴注射する。1回の点滴に要する時間は1時間。
有効率
後期第二相試験にける有効率(47.2%)乳ガン(21.3%)非小細胞肺ガン(23.8%)卵巣ガン(17.1%)胃ガン(20.6%)
副作用
  • 脱毛
  • 食欲不振
  • 全身倦怠感
コスト
79,910円
禁忌
重篤な骨髄抑制がある患者。感染症を合併している患者。発熱を有し、感染症の疑われる患者。タキソテールまたは、ポリソルベート80含有製剤に対して重篤な過敏症の既往歴がある患者。妊婦または妊娠の可能性のある患者。

タキソテールの紹介

タキソテールは、乳ガン、肺ガン、卵巣ガン、胃ガン、頭頸部ガンによく使われています。単剤でも30~40% の有効率があります。

手足のしぶれがでることがあるので注意する

骨髄抑制が非常に軽く、くり返し投与できることが利点です。一方で、長く使っていますと、手足のしびれなど末梢神経障害が出ることがあります。細かいものを触ったりとか、薄いものをめくったりすることや、キーボードを打つと指が痛いといった症状が出ることがあります。

そのほか、全身倦怠感が強くでることもあります。タキソテールは、「ポリソルベート80」という特別な溶剤にとけています。そのため、1000人に1人ほどの人が、それに対するアレルギー、またはタキソテールに対するショックをおこし、血圧が触れなくなったりすることがあります。

それらの症状を一度おこ患者さんには投与できなくなります。

点滴の時間はとくに時間の制限はありませんが、1時問半ほどかけてゆっくり投与することが多いです。併用する薬の代表例としては、乳ガンではハーセプチンとの併用が現在よく使われています。

肺ガンや卵巣ガンでは、カルボプラチンやプラトシンといった白金製剤、胃ガンでは単独で、頭頚部のガンではやはり白金製剤などで5-FUと併用されることが多いです。

投与中の日常生活

入浴でとくに気をつけることはありません。ただし、タキソテールは投与したときに血管から漏れると、血管の周囲に炎症をおこします。そのようなときには、あまり温めないほうがよい場合があります。

白血球減少が比較的少ないので、食事にはそれほど気をつける必要はありません。飲酒や喫煙も、とくに制限はありません。
手足のしびれなどの神経障害がくることがありますので、階段の上り下りやはげしい運動をするときには気をつけましょう。また串の運転でも、手足の先がしびれていますので、細かい作業をするような串の運転は避けたほうがいいことがあります。

タキソール(一般名:パクリタキセル)

最も注目され開発されるタキサン系統の薬剤

製造・販売元
ブリストル製薬株式会社
対象患者
  • 卵巣ガン
  • 非小細胞ガン
  • 乳ガン
  • 胃ガン
用法
静脈内に点滴注射する。1回の点滴に要する時間は3時間。
有効率
26.6%(白金製剤不応・再発側の卵巣ガン)36%(手術不能・前化学療法のない非小細胞ガン)32.9%(進行・再発乳ガン)23.4%(進行・再発胃ガン)
副作用
  • 末梢神経障害
  • 関節痛
  • 悪心li>
  • 嘔吐
  • 下痢
  • 口内炎
  • 脱毛
  • 発熱
禁忌
48,672円~146,016円
禁忌
  • 重篤な骨髄抑制のある患者
  • 感染症を合併している患者
  • タキソールまたはポリオキシエチレンヒマシ油含有製剤
  • 妊婦または妊娠している可能性のある患者

タキソールの紹介

タキソールは、卵巣ガンや肺ガン、乳ガン、胃ガンといった代表的な疾患に有効性が高く、そのほかに頭頸部腫瘍などの原発不明ガンにも有効例が多い薬の1つです。一般にはこの薬だけで使うことは少なく、プラトシンやカルボプラチンなどの白金製剤と併用する薬の1つです。

副作用が少なく、外来でも投与できる

ダウノルビシンやアドリアシン、イダルビシンなどといった強力な抗がん剤にくらべると、タキソールは副作用が比較的少なく、外来でも投与できる利点があります。そのため、乳ガンや肺がんの患者さんで入院治療を好まない方、またどうしても外来で治療したいという方に、使われている場合が多い薬です

タキソールは薬をつくる際の原料、もしくはタキソールがとけているひまし抽に対するアレルギーがおこることがあります。そのため1回目の投与のときには一般に1~2日、短期間の入院をします。入院しない場合は、投与前にアレルギーを防ぐ薬を投与してからタキソールを投与することが勧められています。

レスタミンやデカドロン、ザンタックを投与します。タキソールは一般には、アンスラサイクリンという薬や、白金製剤などに有効性が認められなかった場合、もしくは有効性が認められたけれども再発をしたような乳ガンや卵巣ガン、胃ガン、肺ガンに有効とされています。

最初の治療からタキソールを使うことは非常に少ないのですが、嘔吐や脱毛が非常に強く出る薬を嫌う方には、タキソールはお勧めです。ただしタキソールの系統の薬では全て、末梢神経障害がみられます。キーボードを打つことが多かったり、芸術関係の仕事をされていたりなど、指を非常によく使う仕事についている方には、あまりお勧めできません。残念ながらコストが高いのが現状です。1回の投与で数万円かかります。

消化管の手術をしたあとや、感染症を合併している患者さんにタキソールを使うと、副作用が強く出る場合があります。またとけている溶剤に対して過敏症が出る場合があります。タキソールは現在、3週間おきのプロトコルが保険で認められています。

毎週投与すると、使う量を約3分の1に節約できるだけでなく、有効率が10~20% 高くなり、副作用が少なくなるということが分かっています。保険ではまだ完全には認められていませんが、毎週投与する治療が今後多くなっていくのではないかと思います。

投与中の日常生活

末梢神経障害が出ますので、ぬれている床や階段などは注意しましょう。また運転の細かい作業には注意しましょう。比較的便秘になりやすいので、食事は消化の悪いものには気をつけましょう。便秘の場合は飲酒にも気をつけましょう。喫煙や日光については、とくに気をつけることはありません。