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リュープリン(一般名:酢酸リュープリン)

ノルバデックスと併用するLH-RH拮抗薬

製造・販売元
武田薬品工業
対象患者
  • 子宮内膜症
  • 子宮筋腫
  • 閉経前乳ガン
  • 中枢性思春期早発症
  • 前立腺ガン
用法
皮下注射
有効率
77.8%(子宮内膜症)、83.5%(子宮筋腫)、37.0%(閉経前乳ガン)、90.2%(中枢性思春期早発症)、53.9%(前立腺ガン)
副作用
  • 間質性肺炎
  • アナフィラキー様症状
  • うつ症状
  • 尿路閉塞など
56,785円
テキスト
禁忌
リュープリンの成分または、合成LH-RH、LH-RH誘導体に対して過敏症の既往歴がある。妊婦または妊娠の可能性がある。診断のつかない異常性器出血。

リュープリンの紹介

リュープリンは、閉経前乳ガンと前立腺ガンの治療に主に使われています。「LH-RH」というホルモン括抗薬の1つです。28日から30日に1回、腹部のへそから2cmくらいはなれたところに、左右両側に1回ずつ、交互に皮下注射して投与します。通常は3.75ミリグラム注射をします。

他の薬と併用されることが多い

リュープリンは「LH-RH 」というホルモンを止めるため、まれにうつ状態になったり、女性では生理が止まったり、男性では男性らしさが少なくなっていくという副作用があります。若い方では、乳ガンの患者さんに単独、もしくはノルバデックスというホルモン剤と併用してさらにホルモン療法として強く行う場合に用いられます。
前立腺ガンでは、ホンバンという薬を使います。
リュープリンはこの薬だけでは非常に副作用が少ない薬のひとつですので、ほかの薬と一緒に使われます。

子宮内膜症にも使われる

ガンではありませんが、女性で生理のときに腹痛がおきる子宮内膜症という疾患があります。そのときにも、子宮内膜の増殖を止められたり、生理のときの出血や腹痛が軽減できたりすることから、リュープリンが使われることがあります。

白血病やリンパ腫、小児の悪性腫瘍などで抗がん剤を投与しているときに血小板減少があると、若い女性で生理がある場合、出血が止まらない危険があります。そのようなときに、リュープリンを使って生理を止めることがあります。

移植のあとや、強力な抗ガン剤の使用中にリュープリンを使っている人のほうが、抗ガン剤の治療が終わったあとで卵巣機能の回復が早いということが、外国で証明されて報告されました。

抗ガン剤の使用中に月1回皮下注射すると、女性の場合卵巣機能が非常に早く元に戻って不妊症が少ないということから、不妊症を予防するという意味で使うケースが最近では多くなってきました。また最近では、エイズであらわれるにくしゆカポジ肉腫に対してリュープリンを投与すると、カポジ肉腫が小さくなることが分かりました。
抗腫瘍効果が新しく注目されて使われるようになってきています。
投与中の日常生活
入浴や食事、運動、車の運転、飲酒、きつえん喫煙などには、とくに気をつけることはありません。ただし女性では無月経、男性ではインポテンツなどがおきることがありますので、そのことを十分に理解しましょう。

ゾラデックス(一般名:酢酸ゴセレリン)

男性にも女性にも代表的なホルモン療法剤

製造・販売元
アストラゼネカ株式会社
対象患者
  • 前立腺ガン
  • 閉経前乳ガン
用法
皮下投与する
有効率
71%(前立腺ガン)、32.1%(閉経前の進行・再発ガン)
副作用
  • 顔面紅潮
  • 注射部位の局所反応
  • 性欲減退
  • 勃起力低下
  • 浮腫
  • 発汗
  • 乳房膨張
  • 圧痛
  • AST(GOT)上昇、GPT上昇
  • GPT上昇
  • LDH上昇
  • ALP上昇
  • トリグリセライド上昇
  • コレステロール上昇
  • ほてり
  • めまい
  • 肩こり
  • コスト
    55,635円
    禁忌
    • 妊婦または妊娠の可能性がある
    • ゾラッデクスの成分またはLH-RH作動薬に対して過敏症の既往歴がある

    ゾラッデクスの紹介

    ゾラデックスは、前立腺ガンとhH閉経前乳ガンにホルモン療法として使われる代表的な薬です。

    へその横のあたりに皮下注射する

    ゾラデックスは経口薬では効きませんので、皮下に注射をして投与します。一般には4週間から30日に1回、腹部のへその横あたりに皮下注射をします。これをつづけますと、前立腺がんではおよそ70% 、再発乳がんや進行期の乳がんでは閉経前であれば30%前後に有効性があります。

    ゾラデックスは視床下部から刺激をされて下垂体から出ている「LH-RH」というホルモンに対して作用します。そのためホルモン系統のバランスが悪くなりますので、ほてりや頭重感、めまい、肩こりといった、いわゆる更年期障害のような症状が副作用として出ます。

    ゾラデックスを投与しているとそのほかに、少し体重がふえたり、肝障害しぼうが出ることがあります。中性脂肪や脂肪などの吸収が良くなって、この二つじょ、つしょ、つの値が上昇してくる場合があります。かんぞうまた肝臓にも脂肪がついて脂肪肝になることがあります。体重が増えすぎないように気をつける必要があります。へいようほかのホルモン療法剤を併用する場合があります。前立腺ガン閉経後乳ガン2つのがんに対して、有効性がきちんと示されていますので、今後も使われていくと思います。

    投与中の日常生活

    ゾラデックスを投与中は、妊娠することはできません。ホルモンのバランを故意に制御していますので、更年期障害などの症状がでることを重要視する必要があるでしょう。アリミデックスと同様に、投与しはじめたころに軽い吐き気がありますが、その後は吸収がよくなったり、肥満や肝障害が出る場合があります。

    食事の量や飲酒量を急にふやしたりしないように気をつけたほうが無難です。運動はむしろしていただいたほうがいい場合が多いようです。日光や喫煙、運転などではとくに気をつける必要はありません。