月別アーカイブ: 2017年10月

アフェマ(一般名:塩酸ファドロゾール水和物)

ノルバデックスやアルミデックスにかわる閉経後乳ガンの薬

製造・販売元
ノバルティス ファーマ株式会社
対象患者
閉経後乳ガン
用法
錠剤を服用する。
有効率
37.5%
副作用
  • 吐き気
  • 嘔吐
  • 食欲不振
  • 腹痛
  • 疲労感
  • めまい
コスト
324円
禁忌
  • 妊婦または妊娠している可能性がある
  • 授乳中
  • アフェマに対して過敏症の既往歴がある

アフェマの紹介

アフェマは、アリミデックスという薬にかわる閉経後乳ガン薬です。投与してすぐに、みられますが、少ない薬です。吐き気や嘔吐がまれに比較的安くて副作用の少ない薬です。ただしアフェマはまだ第一選択薬ではありません。

使いやすい薬

アフフェマとアリミデックスは、幸いなことに有効である群がちがいますので、一方が無効になつたからといって、もう一方が無効であるとは限りません。どちらか一方を処方して、それが効かなくなつた場合にはもう一方を使うというケースがよくあります。

アフェマは一般に、3ヶ月以上処方しませんと効果が出てきません。現在はまだ、長期問投与して再発率を低下させる効果について、アリミデックスほどきちんとしたデータが出ていません。今後の試験の結果が待たれているところです。

ただ臨床からの印象としては、比較的副作用が少なく、外来で服用するだけで腫瘍マーカーや乳ガンが小さくなることが、経験として20~30% の方にみられますので、抗ガン剤にくらべて非常に使用しやすい薬の1つといえます。投与をはじめて最初の1週間から10目前後で、吐き気や嘔吐、食欲不振、腹痛、疲労感、めまいなどの副作用が出ることがあります。

投与中の日常生活

入浴、食事、運動、車の運転、喫煙、飲酒などには、とくに気をつけることはありません。

ロイナーゼ(一般名:L-アスパラギナーゼ)

小児の急性リンパ性白血病に有効

製造・販売元
協和発酵工業株式会社
対象患者
    急性白血病(慢性白血病の急性転化例を含む)、悪性リンパ腫
用法
静脈に点滴注射する。1回の点滴に要する時間は60分。
有効率
75%(リンパ性白血病)、53.8%(細網肉腫(68.9%)、リンパ肉腫など
副作用
  • ショック
  • 気道閉塞
  • 循環不全
  • 脳出血
  • 脳梗塞
  • 肺出血
  • 重篤な急性膵炎
  • 意識障害を伴う高アンモニア血症
  • 肝不全
  • コスト
    5,607円
    禁忌
    ロイナーゼに対して重篤な過敏症の既往歴がある

ロイナーゼの紹介

ロイナーゼは、慢性白血病の中のりパ性急性転化や悪性リンパ腫、あるいは急性リンパ性白血病によく用いられます。

1回目の投与でショックが起きることがある

ロイナーゼは、細菌からつくられた酵素です。患者さんがその細菌に対してアレルギーがあると、ショックなどをおこします。この酵素は、細胞がアミノ酸を利用する効率を悪くして、細胞を飢餓状態に追いこむように作用します。

静脈内の点滴注射では、1回目の投与のときに、ショックやアナフィラキシーというアレルギーなどの症状がよく出ます。また出血や肝機能障害などがおこることがあるので、とくに気をつける必要があります。1回日にこれらの症状がでると、2回目以降の投与ができなくなります。1回目にこれらの症状がなければ、2回目以降は安全に投与できる可能性が高くなります。

肝臓の細胞の機能もおさえられて肝障害が起きる

ロイナーゼを投与すると、肝臓などのようなタンパク質をたくさんつくる場所の細胞の機能もいっしょにおさえられるため、肝障害がおこります。この肝障害は、AST(GOT)やA LT(GPT)が上がるタイプの肝障害ではありません。
アルブミンや凝固因子など、毎日つくられているようなタンパク質をつくることができなくなるタイプの障害です。

凝固因子が非常に減ることから、凝固異常がおこります。まれに、凝固因子が減りすぎたために、脳出血や肺出血などの出血傾向をおこすことがあります。

また、すい臓に負担をかけて急性すい炎をおこすこともあります。点滴はなるべくゆっくりと行います。単剤で用いる場合もありますが、一般にはリンパ性白血病のある治療と別の治療との間で用いたり、あるいはある治療と併用して4週間程度利用されることが多いです。

併用される薬の代表例としては、メソトレキセート、プレドニンなどのような、リンパ性の白血病に使われる薬があります。この系統の薬はロイナーゼしかありませんので、将来的にもしばらく使われていくことになると思います。
投与中の日常生活
血液の凝固異常や出血傾向がみられる場合があるので、皮膚をこすったり、体を温めたり、清拭することはできません。入浴は、シャワーだけにしたほうが無難です。肝機能障害が強く出るので、油の多いものを食べたり、たくさんの量を食べたりといった肝臓に負担をかける食事はひかえます。
薬の吸収が悪くなる可能性があるので、飲酒はできません。ロイナーゼを使う場合、心臓に負担がかかる薬と併用することが多く、その場合には運動もできなくなります。