薬剤前のセミタイトル
- 製造・販売元
- ノバルティス・ファーマ株式会社
- 対象患者
- 慢性骨髄性白血病
- 用法
- 食後にカプセルを服用する。
- 有効率
- ほぼ100%
- 副作用
-
- 便秘
- 吐き気
- 好中球減少
- 血小板減少
- 発疹
- 白血球減少
- 貧血
- 嘔吐
- 眼瞼浮腫
- 筋痙攣
- リンパ球減少
- ヘモグロビン減少
- LDH上昇
- 総たんぱく低下
- 血清リン低下
- 血糖値上昇
- コスト
- 1カプセル1700円を1日4回服用
- 禁忌
-
- グリペックに対して重篤な過敏症の既往歴のある場合
- 妊婦または妊娠している可能性のある婦人
グリベックの紹介
グリペックは現在、慢性骨髄性白血病に対する使用で保険が通っています。アメリカでは、消化管間葉性支持細胞腫(GIST)というめずらしい病気でも保険が認められました。日本ではGISTへの適応拡大のための臨床試験も実施済み。
有効率が非常に高いのが特徴
グリペックは、研究室での実験によって効果がわかったものが、そのまま患者さんの治療に応用され、効果のあることが証明された薬の1つです。グリペックは、ガン細胞にエネルギーが結合するのをさまたげて、ガン細胞をたおします。
有効率は非常に高く、ほぼ100% です。ただし慢性骨髄性白血病の中の急性転化(急性白血病に近い状態になる)の場合には有効率が低くなります。とくにリンパ性の場合には、有効率が50%以下となります。
主な副作用は、便秘と吐き気です。また、日本人では、アメリカ人やヨーロッパ人よりも服用する量が少なくても効く傾向がありますが、好中球減少や血小板減少といった副作用が多くみられるようです。
グリペックは、飲み薬です。朝1回、食後にただカプセルを飲むだけなので、注射をしたり入院したりする必要がないという利点があります。
グリペックは非常に注目されているとともに、患者さんからの要望も強い薬です。現在では移植を勧めたり、インターフェロンを勧めても、「まずグリペックを使いたい」という患者さんが圧倒的に多くなっています。
現在アメリカで、グリペックとインターフエロンとの併用、またキロサイドとの併用の試験が行われています。日本ではまだ行われていませんが、今後いくつかの併用療法の試験が行われる予定になっています。
グリペックは現在、慢性骨髄性白血病と消化管のガンの2種類に対してしか使われていません。急性リンパ性自血痛に対する臨床試験がこの敷か月以内に完了予定です。非常に予後の悪い脳腫瘍や肉腫にも効くということも分かってきました。今後もっと広い疾患で利用が期待されています。
投与中の日常生活
好中球減少がみられた場合には入浴をひかえ、シャワーだけにしましょう。グリペック投与時にみられる最も多い副作用は便秘です。したがって、食事はひかえめにしましょう。
日光、車の運転、飲酒、喫煙に関する制限はとくにありません。ただし、グリペックは開発されて間もないので、飲酒・喫煙によって体内への吸収の効率に影響があるかどうかがわかっていません。そのため、飲酒・喫煙はひかえたほうがよいでしょう。運動に関する制限はありません。ただし、副作用で貧血がおきることがあります。その場合、立ちくらみや運動によって動悸がでることがあるので、運動をひかえましょう。