ノルバデックス(一般名:クエン酸タキモキシフェン)

世界で最も使われているホルモン剤の1つ

製造・販売元
アストラゼネカ株式会社
対象患者
乳ガン
用法
錠剤を服用
有効率
26.4%(再発率減少)、14.5%(死亡率減少)、43.9%(進行・再発乳ガン)
副作用
  • 無月経
  • 月経異常
  • 悪心
  • 嘔吐
  • 食欲不振
928,4円
テキスト
禁忌
妊婦または、妊娠している可能性がある。ノルバッデクスの成分に対して過敏症の既往歴がある。

薬剤名の紹介

ノルバデックスは、世界で最も使われている、乳ガン対するホルモン療法剤の1つです。注射するときに、「LH・RH」というホルモンを抑制する、「LH・RHアゴニスト」という薬をいっしょに使うことがあります。

錠剤を長期間にわたって服用する

錠剤を5年以上服用することで、再発率が低下することが証明されている薬の1つです。アリミデックスとくらべると、5年間服用した場合の成績では五% ほど低くなっていますが、10年以上にわたり成績が出ている薬としてはノルバデックスしかありませんので、まだ長期にわたって使われています。一方で、卵巣がんや子宮がんの率が高くなることがあります。
患者さんによっては長く投与していますと、5年たちましたからやめましょうといったときに、不安になってやめられないという方がおられます。ただしつづけたからといって、10年後の再発率が低下するという証拠はまだありません。

もっと長期に使う利点があるかどうかについては、もう少ししないとまだ分かりません。おそらく2~3年以内に、10年間での再発率が出ることになるでしょう。

長く投与していると、無月経や月経異常のために更年期障害のような症状がでることがあります。副作用としては、食欲不振や悪心などもあります。

逆に食欲が出たり、脂肪肝になってしまう場合もありますので、生活習慣病の率が高くなることがあります。そのあたりのこともよく理解していただいたうえで、長期間の服用を勧めることになります。世界中で乳ガンは現在、どんどんふえています。それに応じてノルバデックスも将来的に使われていくことになるでしょう。

投与中の日常生活

入浴については、とくに気をつけることはありません。食事については症状によりますが、悪心、嘔吐、食欲不振がない方では、食欲がかえって増して、太る場合があります。脂肪肝になることがありますので、できるだけ運動するようにしましょう。車の運転では、とくに気をつけることはありません。吸収が良くなっているので、多く飲酒すると脂肪肝が強く出ることがあります。