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フコイダンがガン細胞を自殺へ導く

現在おこなわれているガンの標準治療では、効果をあらわす可能性は低いにもかかわらず、患者の免疫力・体力が奪われてしまうという現実があります。そこで、研究者や医療機関ではガン細胞に対しアポトーシス(細胞の自然死)を促すものとしてフコイダンが注目されています。

ガン細胞だけを攻撃することができる優れたフコイダン

日本癌学会で、フコイダンがガン細胞に働きかけアポトーシス現象を起こしたことが発表された以降、ガン細胞とフコイダンについてのさまざまな研究が進められています。その中で、フコイダンは正常な細胞には悪影響を与えずにガン細胞にだけアポトーシスへと誘導することがわかっています。

体内に入ったフコイダンは、まず、ガン細胞の表面に直接接触して、自滅を促すよう信号を出します。そうすると、ガン細胞のDNAは破壊されて死滅するのです。そして、もし、このガン細胞の破壊に失敗した場合は、フコイダンが別の攻撃をします。フコイダンは自らガン細胞の表面に穴を開け、細胞の中に毒素を発生させて、DNAを破壊します。このように、二段階で確実にガン細胞を自滅させるメカニズムになっていることが明らかになっています。

フコイダンがガン細胞に働きかけアポトーシスへと上手く誘導することで、ガン細胞が増殖するのを抑えます。さらに、ほかの臓器への浸潤(しんじゅん)や転移をくい止めてくれます。浸潤(しんじゅん)というのは、ガンのかたまりから剥がれたガン細胞が、周りの組織にまで染み込むように、徐々にかたまりの外側に広がっていくことです。まず浸潤が起こり、その先に血管やリンパ管があればガン細胞が血管やリンパ管に入って、転移が起こる可能性が高くなります。

フコイダンは、ガン細胞のみをピンポイントで選んで自滅を促す、とても優れた物質ですが、今後、さらにフコイダンとガン細胞についての研究が進んでフコイダンの有効性が判明すれば、日本のガン治療は大きく変わるでしょう。

ガンと低分子モズクエキスフコイタン | 健康メモ
https://health-memo.com/2015/11/10/%E3%82%AC%E3%83%B3%E3%81%A8%E4%BD%8E%E5%88%86%E5%AD%90%E3%83%A2%E3%82%BA%E3%82%AF%E3%82%A8%E3%82%AD%E3%82%B9%E3%83%95%E3%82%B3%E3%82%A4%E3%82%BF%E3%83%B3/

ガンを消滅へと導くフコイダン

フコイダンは、水溶性食物繊維(粘質多糖類)の一種で海藻独特のぬめりを持っています。20世紀のはじめ頃に昆布のぬめり成分のひとつとして発見され、20世紀の終わり頃には日本癌学会で、昆布に含まれるフコイダンがガン細胞に働きかけガン細胞を自殺させる現象を起こした、と発表されました。この現象はアポトーシスといわれますが、ガン細胞だけに働いて正常な細胞には影響をほとんど与えないことも明らかになっています。つまり、抗ガン剤などの標準治療で起きてしまう副作用が、フコイダンでは起こらないということです。こういった成分が、私たち日本人が昔から食べていた海藻類から発見されたのです。

現在では、フコイダンについての研究や実験が多くの研究者により進められていて、ガン細胞を抑制するほかにもさまざまな働きがあることが明らかになりました。代表的なものでは、抗腫瘍作用、抗アレルギー作用、抗ピロリ菌・抗潰瘍作用、免疫賦活作用、血液凝固阻止作用、血糖上昇抑制作用などが挙げられます。このようにたくさんの機能性を併せ持っているフコイダンなので、とても期待されています。

私たち人間の体は約60兆個にもおよぶ細胞で構成されています。時間が経過して古くなった細胞は死に、新陳代謝によって新しい細胞に入れ替わります。人間の体内にある細胞がすべて入れ替わるのにはおよそ6ヶ月くらいかかるといわれていて、それぞれの細胞にある遺伝子の情報は、自然に、一定の時間が経つと細胞が死ぬようプログラムされているといいます。こうして、自然に細胞が死んで消滅することはアポトーシスと呼ばれます。自殺を意味することから、細胞自殺促進作用ともいわれます。このアポトーシスという現象は、どの細胞や遺伝子にも組み込まれている現象で、これによって細胞は周囲には影響を与えずに自然死します。しかし、正常な細胞が変異してできたガン細胞は、残念ながらアポトーシスを起こさず、ほかの正常な細胞から栄養を奪って無限に増殖し続ける不死身の細胞なのです。そこで力を発揮するのがフコイダンで、ガン細胞のみに的をしぼり、ガンを自殺に導かせる力を持っています。

フコイダンがガンの増殖を抑制する

アポトーシスについて少し触れましたが、フコイダンの作用はほかにもあります。それは、フコイダンが白血球の成分に働きかけて、ガン細胞に対抗できるほどの免疫力を高めることです。また、ガン細胞は血管を媒介にして正常な細胞から栄養を奪い増殖していくため、新たに自ら血管をつくる機能がありますが、フコイダンにはそれを妨げる血管新生抑制作用もあります。これらが、フコイダンのガンに対する働きで解明されているものです。これらの相乗効果によって、ガンに対して驚くほどの威力を発揮します。

海草類に秘められた力が見直されている

周りを海に囲まれている日本では、昔から私たちの食生活に海藻が浸透していて、なじみ深いものとなっています。わかめ、海苔、昆布、ひじきなど、そのままで食べるものから加工されるものまでいろいろなかたちで、私たちの食生活は海藻に支えられてきました。日本近海で取れる海藻の種類はなんと 1,000種以上あるそうですが、そのうち食用とされているのは20種類ほどです。そして、これだけ多くの種類の海藻を食用としているのは、世界でも日本だけなのです。

近年では欧米型の食生活が健康面から疑問視され、日本の伝統食が注目されていますが、海藻をたくさん摂取することが、その理由のひとつとして挙げられます。海藻は欧米ではシーウィード、つまり海の雑草と呼ばれていて、以前はほとんど食べられてはいませんでした。しかし、海藻の健康への効果がわかるに連れ、最近では海の野菜として食べられるようになったのです。

海藻には、ビタミン、ミネラル、食物繊維などが豊富に含まれています。さらに、エネルギーとしてはほとんど吸収されない低カロリー食品であり、私たち現代人の健康維持に欠かすことはできないのです。この優れた海藻のなかでも、食物繊維の一種で独特のヌメリをもつ成分「アルギン酸」や、特に注目されている「フコイダン」は昆布やモズクに多く含まれ、生活習慣病に有効だったり、悪いガン細胞を殺す働きがあることといったさまざまな健康効果が解明されて、海藻が健康食品として見直されるようになりました。

現代人がガンで命を落とすのはあたりまえの時代ですが、ガンから身を守るのには食習慣がとても大切です。国立がん研究センターが提唱している『がんを防ぐための12ヵ条』というものがありますが、この12のうちの8つが食生活に関連しています。このことからもガンを予防するには、食習慣がどんなに大事なのかがわかります。