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海草類に秘められた力が見直されている

周りを海に囲まれている日本では、昔から私たちの食生活に海藻が浸透していて、なじみ深いものとなっています。わかめ、海苔、昆布、ひじきなど、そのままで食べるものから加工されるものまでいろいろなかたちで、私たちの食生活は海藻に支えられてきました。日本近海で取れる海藻の種類はなんと 1,000種以上あるそうですが、そのうち食用とされているのは20種類ほどです。そして、これだけ多くの種類の海藻を食用としているのは、世界でも日本だけなのです。

近年では欧米型の食生活が健康面から疑問視され、日本の伝統食が注目されていますが、海藻をたくさん摂取することが、その理由のひとつとして挙げられます。海藻は欧米ではシーウィード、つまり海の雑草と呼ばれていて、以前はほとんど食べられてはいませんでした。しかし、海藻の健康への効果がわかるに連れ、最近では海の野菜として食べられるようになったのです。

海藻には、ビタミン、ミネラル、食物繊維などが豊富に含まれています。さらに、エネルギーとしてはほとんど吸収されない低カロリー食品であり、私たち現代人の健康維持に欠かすことはできないのです。この優れた海藻のなかでも、食物繊維の一種で独特のヌメリをもつ成分「アルギン酸」や、特に注目されている「フコイダン」は昆布やモズクに多く含まれ、生活習慣病に有効だったり、悪いガン細胞を殺す働きがあることといったさまざまな健康効果が解明されて、海藻が健康食品として見直されるようになりました。

現代人がガンで命を落とすのはあたりまえの時代ですが、ガンから身を守るのには食習慣がとても大切です。国立がん研究センターが提唱している『がんを防ぐための12ヵ条』というものがありますが、この12のうちの8つが食生活に関連しています。このことからもガンを予防するには、食習慣がどんなに大事なのかがわかります。