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免疫システムがガン細胞を攻撃する

リンパ球の重要な働き

人間が免疫力を保つのにとても大切な白血球ですが、白血球の無顆粒球のうちのリンパ球は、さらに、B細胞、T細胞、NK(ナチュラルキラー)細胞の3種類に分けられます。それぞれの役割は次のようになっています。

B細胞

人間の身体にとって有害な抗原(種類の異なるタンパク質や多糖類、微生物や毒素など)を見つけると、それらのみに対し反応する「抗体」というタンパク質を作ります。この抗体が抗原に結合することで、抗原は、正常な細胞の中に入れなくなります。ほかに、B細胞にはメモリー機能のようなものがあって、一度見た敵の姿を記憶し、次には侵入できないように備えています。

T細胞

身体の中に侵入してきた異物や異形の細胞を正確に認識し、ねらいを定めて殺す細胞です。T細胞には、キラーT細胞、ヘルパーT細胞があり、それぞれに役目を果たします。

  • キラーT細胞・・・ガン細胞やウイルスに感染した細胞を破壊。
  • ヘルパーT細胞・・・マクロファージから信号をキャッチして「インターロイキン」を放ち、免疫システムの細胞を活性化。

NK(ナチュラルキラー)細胞

抗原に感作した状態でなくても敵を殺すことができる細胞で、単独で異物を攻撃します。ガン細胞などを発見するとT細胞の中で一番はやく活動を始めます。

優れた免疫システム

ガン細胞は、もともとは体内から生まれた異形の細胞です。ガン細胞と正常細胞を区別することが難しいことが、ガン治療が困難な一番の理由となっています。

抗ガン剤がガン細胞だけでなく正常な細胞にまでも攻撃をしてしまうのは、正常な細胞との識別ができないためです。ガン細胞には、正常な細胞には無い抗原(こうげん)という特別なタンパク質があり、それを識別することができればガン細胞だけに対しての攻撃が可能になるのですが、現在の標準治療ではそこまでに達していません。

対して、私たちの体内にある免疫システムの場合は、外部からの異物ではないガン細胞を敵として認識することができるのです。

人間の体内にはガン細胞のもとになる異形の細胞が絶えず生まれていて、その数は一日に数千個にも及びますが、免疫システムの働きによって、増殖が抑えられています。免疫システムは、おもに次のようにガン細胞に攻撃をしかけ効果的に撃退します。

  • マクロファージがガン細胞を食べて分解。
  • ナチュラルキラー細胞がガン細胞を攻撃。
  • キラーT細胞がパーフォリンでガン細胞に穴を開け殺す。

ガンを発病した人でも免疫システム自体は機能していて、血液中を漂っているガン細胞のほとんどが、免疫細胞によって追い払われることが、ある実験により、わかっています。これは、免疫力を上げることで、ガンの発病を抑制したり、できてしまったガンの進行を遅らせることができるということです。

免疫システムについて

異物を攻撃する免疫のしくみ

私たちの身体に『免疫』というしくみが備わっていることは、知っている人も多いでしょう。これは、私たちの体内に、もしウイルスや病原菌などの異物が入ってきたとしても病気にかからないようにするシステムで、異物を攻撃する防御機能のことです。例えば、風邪のウイルスが体内に侵入しても、身体が元気な時ならば、免疫力によってウイルスを排除することができるので、風邪をひきません。ところが、身体が弱っている時には、ウイルスと闘う機能が低下し免疫力が低下しているので、風邪をひきやすいのです。

私たちの身体に備わっている免疫をおもに担っているのは、血液中にある成分の白血球です。血液には血液細胞(血球)が含まれていて、これらは骨の内部の骨髄でつくられています。そして、血球には赤血球、白血球、血小板があって、それぞれに大切な役割があります。白血球は先に述べたように、人間が免疫力を保つうえでとても大切なもので、顆粒球と、無顆粒球の単球とリンパ球の3種類に分けられます。顆粒球というのは細胞に顆粒が含まれた白血球で、その中でまた幾つかに分けられますが、活性酸素やヒスタミンを放出してそれぞれが異物を攻撃します。

マクロファージの働き

細胞に顆粒を含まない無顆粒球の単球は、成長すると「マクロファージ」という細胞になって体内に入り込んだ異物を食べたり、ウイルスに感染した悪い細胞を飲み込んで分解します。また、マクロファージは異物を食べるだけでなく、死んだ細胞の残骸も食べる性質があり「食細胞」ともいわれます。さらに、侵入してきた異物の情報を仲間の細胞に知らせる働きをします。ですから、もしマクロファージがいなければ、ほかの免疫細胞に異物の侵入が知らされずに、免疫機能がうまく働かなくなるのです。

そして、もうひとつのリンパ球は、免疫細胞の中でも特に重要な役割を果たしています。このリンパ球にはB細胞(Bリンパ球)、T細胞(Tリンパ球)、ナチュラルキラー細胞があり、これらはガンをやっつけるのに、とても重要なものです。

これらの白血球のうちのひとつでも不足すると免疫力は落ちてしまい、白血球のバランスを保てると免疫力が高まります。白血球のバランスは、自律神経と関係があると考えられています。

フコイダンがガン細胞を自殺へ導く

現在おこなわれているガンの標準治療では、効果をあらわす可能性は低いにもかかわらず、患者の免疫力・体力が奪われてしまうという現実があります。そこで、研究者や医療機関ではガン細胞に対しアポトーシス(細胞の自然死)を促すものとしてフコイダンが注目されています。

ガン細胞だけを攻撃することができる優れたフコイダン

日本癌学会で、フコイダンがガン細胞に働きかけアポトーシス現象を起こしたことが発表された以降、ガン細胞とフコイダンについてのさまざまな研究が進められています。その中で、フコイダンは正常な細胞には悪影響を与えずにガン細胞にだけアポトーシスへと誘導することがわかっています。

体内に入ったフコイダンは、まず、ガン細胞の表面に直接接触して、自滅を促すよう信号を出します。そうすると、ガン細胞のDNAは破壊されて死滅するのです。そして、もし、このガン細胞の破壊に失敗した場合は、フコイダンが別の攻撃をします。フコイダンは自らガン細胞の表面に穴を開け、細胞の中に毒素を発生させて、DNAを破壊します。このように、二段階で確実にガン細胞を自滅させるメカニズムになっていることが明らかになっています。

フコイダンがガン細胞に働きかけアポトーシスへと上手く誘導することで、ガン細胞が増殖するのを抑えます。さらに、ほかの臓器への浸潤(しんじゅん)や転移をくい止めてくれます。浸潤(しんじゅん)というのは、ガンのかたまりから剥がれたガン細胞が、周りの組織にまで染み込むように、徐々にかたまりの外側に広がっていくことです。まず浸潤が起こり、その先に血管やリンパ管があればガン細胞が血管やリンパ管に入って、転移が起こる可能性が高くなります。

フコイダンは、ガン細胞のみをピンポイントで選んで自滅を促す、とても優れた物質ですが、今後、さらにフコイダンとガン細胞についての研究が進んでフコイダンの有効性が判明すれば、日本のガン治療は大きく変わるでしょう。

ガンと低分子モズクエキスフコイタン | 健康メモ
https://health-memo.com/2015/11/10/%E3%82%AC%E3%83%B3%E3%81%A8%E4%BD%8E%E5%88%86%E5%AD%90%E3%83%A2%E3%82%BA%E3%82%AF%E3%82%A8%E3%82%AD%E3%82%B9%E3%83%95%E3%82%B3%E3%82%A4%E3%82%BF%E3%83%B3/

ガン細胞ができる原因

私たちの体内でガン細胞が発生する原因は、おもに次の3つです。

  1. DNAのエラーによるもの
  2. 活性酸素の発生によるもの
  3. 発ガン物質によるもの

人間の身体には60兆個もの細胞があり、その中心にはらせん状にねじれた遺伝子があってこれをDNAといいます。ひとつひとつがさまざまな目的を持ち細胞が形成されています。人間のDNAは、0.00001ミリにも満たない直径ですが、長さはなんと約2メートルにもなり、内部には情報がぎっしりと詰まっています。細胞分裂が起きる時にはDNAが複製されるのですが、複製が失敗するとエラーが起きた細胞が生まれて、ガン細胞になり増殖をします。

人間が生きていくためには酸素が必要です。そして、呼吸によって体内に酸素が取り入れられる時、毒性の強い活性酸素にも変化します。活性酸素はLDLコレステロール(悪玉コレステロール)をつくりだすことで知られる物質ですが、正常な細胞まで傷つけてガン細胞化させてしまう、恐ろしい習性があります。

発ガン物質とは、遺伝子に影響を与えガンを発生させる可能性のある物質のことで、わかっているものだけでも約2,000種類もあります。禁煙に苦しんでいる人もいると思いますが、タバコの煙の中には約40種類もの発ガン物質が含まれていると言われています。このほか加工食品や、魚や肉などの焦げ、食品に生えるカビ、紫外線や排気ガスなどにも発ガン物質が含まれていて、正常な細胞が影響を受け遺伝子が傷つき、ガン細胞に育ちます。

体内では常にガン細胞のもとが発生している

ガンは遺伝子の病気ではありますが、健康な人でも、極わずかな確率で、遺伝子の情報の伝達に間違いが起こる可能性があります。実際に人間の体内では、ガンのもととなる細胞が毎日数千個も発生しているとされているのです。しかし、私たちの身体にはこういった細胞をきちんと防御する仕組みがあって、そう簡単にはガンになりません。遺伝子の修復プログラムやアポトーシス機能が働いたり、身体の免疫機能によって細胞は死滅します。

ところが、活性酸素が体内に大量に発生してしまうと、ガン細胞のもとが発生する確率もそのぶん上がります。そして、アポトーシス機能や身体の免疫機能をもっても死滅しなかった異常細胞はガン細胞となり、細胞分裂を何度も繰り返して腫瘍になります。

増殖を続けるガン細胞

正常細胞がガン細胞になるまでには、通常20~30年ものとても長い年月がかかります。検査でガン細胞を発見できるのは、5ミリほどの大きさに育ってからです。その段階では既にガン細胞は1億個を超えるまでに増殖しているといいます。アポトーシス機能が上手く働かなかったガン細胞は、私たちの体内でどんどん増殖し続けて半永久的に生き続け、さらに増殖と転移を繰り返す特性をもつ、とてもたちの悪い細胞なのです。

ガンを消滅へと導くフコイダン

フコイダンは、水溶性食物繊維(粘質多糖類)の一種で海藻独特のぬめりを持っています。20世紀のはじめ頃に昆布のぬめり成分のひとつとして発見され、20世紀の終わり頃には日本癌学会で、昆布に含まれるフコイダンがガン細胞に働きかけガン細胞を自殺させる現象を起こした、と発表されました。この現象はアポトーシスといわれますが、ガン細胞だけに働いて正常な細胞には影響をほとんど与えないことも明らかになっています。つまり、抗ガン剤などの標準治療で起きてしまう副作用が、フコイダンでは起こらないということです。こういった成分が、私たち日本人が昔から食べていた海藻類から発見されたのです。

現在では、フコイダンについての研究や実験が多くの研究者により進められていて、ガン細胞を抑制するほかにもさまざまな働きがあることが明らかになりました。代表的なものでは、抗腫瘍作用、抗アレルギー作用、抗ピロリ菌・抗潰瘍作用、免疫賦活作用、血液凝固阻止作用、血糖上昇抑制作用などが挙げられます。このようにたくさんの機能性を併せ持っているフコイダンなので、とても期待されています。

私たち人間の体は約60兆個にもおよぶ細胞で構成されています。時間が経過して古くなった細胞は死に、新陳代謝によって新しい細胞に入れ替わります。人間の体内にある細胞がすべて入れ替わるのにはおよそ6ヶ月くらいかかるといわれていて、それぞれの細胞にある遺伝子の情報は、自然に、一定の時間が経つと細胞が死ぬようプログラムされているといいます。こうして、自然に細胞が死んで消滅することはアポトーシスと呼ばれます。自殺を意味することから、細胞自殺促進作用ともいわれます。このアポトーシスという現象は、どの細胞や遺伝子にも組み込まれている現象で、これによって細胞は周囲には影響を与えずに自然死します。しかし、正常な細胞が変異してできたガン細胞は、残念ながらアポトーシスを起こさず、ほかの正常な細胞から栄養を奪って無限に増殖し続ける不死身の細胞なのです。そこで力を発揮するのがフコイダンで、ガン細胞のみに的をしぼり、ガンを自殺に導かせる力を持っています。

フコイダンがガンの増殖を抑制する

アポトーシスについて少し触れましたが、フコイダンの作用はほかにもあります。それは、フコイダンが白血球の成分に働きかけて、ガン細胞に対抗できるほどの免疫力を高めることです。また、ガン細胞は血管を媒介にして正常な細胞から栄養を奪い増殖していくため、新たに自ら血管をつくる機能がありますが、フコイダンにはそれを妨げる血管新生抑制作用もあります。これらが、フコイダンのガンに対する働きで解明されているものです。これらの相乗効果によって、ガンに対して驚くほどの威力を発揮します。

注目される代替療法

抗ガン剤や放射線治療によって激しい副作用が引き起こされるため、がんの治療に対して、つらく苦しいものだというイメージをもっている人は多いでしょう。とても残念なことですが、現代の医学ではガンと闘うためには副作用とも闘わなくてはなりません。髪が抜けたり、吐き気をもよおしたり、著しく免疫力が低下しても、それほど効果はあらわれずに、医師からは手の施しようがないと言われてしまうことも普通です。一時的にガンが小さくなったとしても、それまでの治療によって免疫力が破壊されてしまい、再発してしまった時に身体が闘う力さえも奪われてしまいます。このように、治療によってガンを攻撃することができても、生きる力まで弱まってしまうのです。

そして、こうした理由から西洋医学が疑問視され、別の治療法が望まれています。期待されているのは、標準治療に代わる代替療法(だいたいりょうほう)です。代替療法とは、ガン細胞を直接攻撃するのではなく、身体の免疫力を高め自然治癒力を強化して、ガン細胞をやっつけようという治療法です。病院で一般に行われている従来のガン治療(標準治療)に付きものの苦しい副作用は無く、患者のQOLを高めることができる点では、とても高く評価されています。QOLとは、Quality of Life(クオリティ・オブ・ライフ)=生活の質、つまり病気や障害を抱えている人が人間らしく、自分らしく、いかに満足した生活を送ることができるかどうか、を指します。

現代の標準治療は、西洋医学に基づき行われています。そして、西洋医学では病原体を追い払うことができますが、自らの身体の機能の低下が原因となる病気に対しては苦戦を強いられています。特にガン治療では、抗ガン剤や放射線治療などを受けることで患者の免疫力が更に低下し回復が遅くなるので、免疫力を強化して病気に立ち向かう代替療法が注目されるのです。

ガンに対抗するには免疫力を強化する

代替療法のうちのひとつに、免疫療法があります。人間の身体に備わっている免疫力は、体内に侵入してきたガン細胞や病原体などを消滅させる大切な働きをしていて、これは、生きていくために自分自身を守るしくみなのです。ですから、免疫系の働きがとても弱くなると、重症な感染症やガンにかかり死に至ることがあります。免疫療法では、文字どおり体内の免疫力を高め、病気に対抗させるのです。

人間の免疫は、おもに血液の中にある白血球がつかさどっています。白血球には、マクロファージという細胞や、ナチュラルキラー細胞、T細胞(リンパ球)などがあってそれぞれに重要な役割がありますが、これらがガン細胞を攻撃してガンを消滅させるのです。

海藻類に含まれているフコイダンには、白血球中の成分の動きを活発にして、副作用を生まずにガン細胞への抵抗力をつける働きがあり、免疫療法の分野で注目を集めています。

従来のガンの治療法

患者への負担が大きいガン治療

現代社会では日本人の二人に一人がガンにかかり、いまやガンで亡くなるのは当たり前の時代です。そこで、いかにガンの予防をするかが大事なのですが、いざガンになってしまった時に、できるだけ良い治療を受けてガンが進行するのを抑制することが大切だといえます。

ガンになると体内ではガン細胞が次々に増殖していき、私たちの身体をむしばんでいって、最期に死に至ります。ガン細胞が成長するのをできるだけ早く止め、体内で死滅させるか、手術してそれを取り除くかがガンを治療するうえでの重要なポイントです。

一般に病院で行われる従来のガンの治療法(標準治療)には、放射線療法と化学療法、外科手術の3つがあります。ひとくちにガンといっても発生した部位や大きさ、進行状況によってもそれぞれ性質が違いますので、様子を見ながら治療法を選択していかなければなりません。

こういったガンの治療法については昔と比べるとかなり進歩はしていて、患者の生存率は上昇しています。しかし、道のりは厳しく、患者が抱える心身共の大きな負担は変わりありません。放射線療法や抗ガン剤などを用いる化学療法では、よく知られているように副作用が起こります。患者は吐き気をはじめ、食欲不振、倦怠感、脱毛、下痢など全身がさまざまな苦しみに襲われます。それなのに、ガンは小さくならず、長い間副作用で苦しむだけで効果が何も得られないという状況も現実にたくさんあるのです。

従来の治療法は問題多々

現在広く行われている標準治療ですが、いくつか問題点もあります。
外科手術は患部を切除して治療する方法で、可能な患者には最良の選択です。ただし、切除できたとしても体内にガン細胞が残っている場合には数年で再発する可能性があります。そして、ガンが発見された段階で既に手術不可能な場合があり、早期でも転移があれば手術対象外のこともあります。手術ができても予後が悪くなることもあるので、100パーセント安心できるわけではありません。

放射線療法は、患部に放射線をあてガン細胞のDNAを変化させ殺す方法です。これは、手術との併用またはもう手術できない状態に行われます。患部への照射でガン細胞を殺すことができるのですが、周囲の正常な細胞にも影響を与え、患部がただれたり、血管がもろくなるなどの副作用が起こります。

抗ガン剤などの化学療法は、ガンができた部位と全身に散らばったその他の部位にも効かせます。抗ガン剤を服用したり、注射や点滴をしてガン細胞を攻撃します。しかし、放射線療法と同じく、正常な細胞まで攻撃してしまい、脱毛や吐き気といった副作用があらわれます。そして、悲しいことに実際に抗ガン剤が効く割合は、1~2割ほどだといいます。どんなに辛い思いをしても、実際に投与してみないと効果がわからないのです。

海藻中の食物繊維の働き

血糖値の上昇を抑制する水溶性食物繊維

海藻には食物繊維が豊富に含まれています。とても優れた健康成分の水溶性食物繊維です。この水溶性の食物繊維は多糖類で、字のとおりに糖がたくさん集まってできていて、粘りがあります。これは、昆布などを水に戻した時に出るヌルヌルした物質で、アルギン酸やフコイダンがあります。これらは細胞と細胞の壁の間に存在していて、水に溶ける性質を持ち、食品に含まれる水分を吸収してゲル化(ゼリー状になること)します。そして、腸の中で吸収されずに、身体に不要な物質を抱き込んだかたちで便として体外に排出します。

アルギン酸やフコイダンなどの水溶性食物繊維の働きは、多くの人がなりやすい生活習慣病や肥満に対して有効であることがわかっています。水溶性食物繊維が多く含まれるものを食べると粘度が増し、食べたものが胃から小腸へ移動するのがゆっくりになって、小腸でブドウ糖が吸収されるのを遅らせることができるので、特に、食後の血糖値が急激に上昇するのを抑える働きをします。血糖値の上昇が緩やかだと、膵臓(すいぞう)から出るインシュリンが不足せずに、正しく作用します。日本では、糖尿病の疑いがある人、可能性がある人が1,000万人以上いるとみられていますが、血糖値が気になっている人も、そうでない人も、海藻をたくさん食べることで糖尿病の予防になるのです。また、糖尿病の人の約30パーセントが肥満だというデータがあるそうですが、肥満は高血圧や心臓病など生活習慣病にかかわる重要な症状のひとつです。

便秘の改善やコレステロールを低下させる食物繊維

食物繊維が豊富な海藻には、腸を刺激して便通を促す働きがあります。水溶性の食物繊維であるアルギン酸やフコイダンは水分を含んで便をやわらかくし、排便をスムーズにします。不溶性の食物繊維で同じく多糖類のセルロースは便のかさを増し、どちらも腸の中をきれいに掃除します。便秘が習慣になってしまっている人の多くは、腸のぜん動運動が鈍っていることが原因となり、肌が荒れがちです。それだけでなく、大腸ガンの引き金にもなりえます。

アルギン酸には、コレステロールの吸収を抑えたり胆汁酸を吸着して体外に排泄させる働きがあります。肝臓でコレステロールからつくられる胆汁酸に働きかけ、便への排泄を促して血液中のコレステロールの濃度を低くします。コレステロールを低下させることは動脈硬化の予防につながり、心臓や脳の重大な病気から身を守ります。若くてしなやかな血管でいるために、やはり、海藻は欠かせない食品です。

フコイダンは胃粘膜を保護する

水溶性食物繊維のフコイダンには、胃をピロリ菌から守る働きもあります。40代を過ぎると80パーセント近い人がピロリ菌を保有しているといわれます。ピロリ菌は胃粘膜などに存在する硫酸基を好み、弱っている胃壁に付着します。フコイダンが胃の中にあると、フコイダンの硫酸基が身代わりになってピロリ菌を吸着させます。ピロリ菌に感染すると胃潰瘍の原因になり、胃ガンの引き金にもなりますが、このように、フコイダンで胃潰瘍の予防にもなります。

海藻でミネラルを摂取する

ミネラルを効率良く摂るには海藻がおすすめ

海藻に含まれる栄養分として主なものに、ミネラルが挙げられます。海水に溶け出している海の恵みをたっぷり吸収しているので、そうして育った海藻は、ミネラルの宝庫といえます。ミネラルは、主に骨や歯など年齢相応の成長や健康を維持する働きをします。この働きはほかに代わるものは無く、ミネラルは人間には欠かせない大切な栄養素です。

ミネラルとひとくちにいっても、たくさんの種類があります。よく耳にするものには、カルシウムやマグネシウム、カリウム、ナトリウム、リンなどがあり、これらは主要ミネラルと呼ばれます。ほかにも鉄や亜鉛、セレンなどといった微量ミネラルと呼ばれるものがあります。

カルシウムを含む食品の代表といえば多くの人が牛乳を思い浮かべるでしょうが、牛乳には100グラム中に100ミリグラムのカルシウムが含まれています。それに対し、例えば昆布には100グラム中に700ミリグラム以上のカルシウムが含まれます。このように、海藻からは効率良くカルシウムを摂取できることがわかります。カルシウムは、マグネシウムやリンと共に、丈夫な歯や骨の形成に必要なものとして知られていますが、ほかにも、血液中に一定の濃度が保たれ血液の凝固に関与したり、筋肉の収縮をスムーズにしたり、心臓の鼓動を一定に保ったりと、とても重要な働きをしているのです。神経の興奮をしずめる働きもあり、不足するとイライラしやすくなります。

カリウムには、細胞の内外の液の浸透圧を調整し、過剰なナトリウムの排泄を促す血圧降下作用があります。高血圧を気にしている人は多いと思いますが、減塩と共にカリウムの摂取も心がける食習慣が望まれます。調理することで失われやすい性質ですが、昆布に含まれるカリウムは野菜や果物など他の食品と比べとても豊富なので、一日の所要量を満たすのには、海藻はとても摂取効率の良い食品です。

海藻の鉄分で貧血予防

ミネラル成分の中の鉄分も、私たちの身体に大切な存在です。鉄分は血液の赤血球のヘモグロビンの主な成分であり、不足すると鉄欠乏性貧血になります。貧血の原因のほとんどが鉄の欠乏によるものだということからも、鉄分を摂取することは重要になります。鉄分の多い食品といえばレバーを思い浮かべる人が多いかと思いますが、海藻では海苔やひじき、昆布に鉄が含まれています。ただ、吸収率は低いので、鉄の吸収を高めるビタミンCと一緒に摂取するのがおすすめです。女性は貧血や骨粗鬆症になる人が多いですから、その予防のためにも、若いうちから昆布や鉄分の多いひじきを食べておくと良いでしょう。

海藻中のビタミンの働き

ミネラルが豊富な海藻ですが、ほかにビタミンも多く含まれています。ビタミンB群、C、E、Kなど様々ありますが、海藻に多いのはビタミンAです。ビタミンAは目や喉、胃や腸などの粘膜を丈夫にして健康に保ちます。不足すると免疫力が低下し、風邪をひきやすくなったりします。ビタミンAの中でもβカロテンは、ガンの発生を抑制したり免疫機能を維持します。ビタミンAは海苔やわかめ、ひじき、昆布にたくさん含まれています。そして、ビタミンは、ほかの栄養素がスムーズに働くための補酵素としても重要です。

海草類に秘められた力が見直されている

周りを海に囲まれている日本では、昔から私たちの食生活に海藻が浸透していて、なじみ深いものとなっています。わかめ、海苔、昆布、ひじきなど、そのままで食べるものから加工されるものまでいろいろなかたちで、私たちの食生活は海藻に支えられてきました。日本近海で取れる海藻の種類はなんと 1,000種以上あるそうですが、そのうち食用とされているのは20種類ほどです。そして、これだけ多くの種類の海藻を食用としているのは、世界でも日本だけなのです。

近年では欧米型の食生活が健康面から疑問視され、日本の伝統食が注目されていますが、海藻をたくさん摂取することが、その理由のひとつとして挙げられます。海藻は欧米ではシーウィード、つまり海の雑草と呼ばれていて、以前はほとんど食べられてはいませんでした。しかし、海藻の健康への効果がわかるに連れ、最近では海の野菜として食べられるようになったのです。

海藻には、ビタミン、ミネラル、食物繊維などが豊富に含まれています。さらに、エネルギーとしてはほとんど吸収されない低カロリー食品であり、私たち現代人の健康維持に欠かすことはできないのです。この優れた海藻のなかでも、食物繊維の一種で独特のヌメリをもつ成分「アルギン酸」や、特に注目されている「フコイダン」は昆布やモズクに多く含まれ、生活習慣病に有効だったり、悪いガン細胞を殺す働きがあることといったさまざまな健康効果が解明されて、海藻が健康食品として見直されるようになりました。

現代人がガンで命を落とすのはあたりまえの時代ですが、ガンから身を守るのには食習慣がとても大切です。国立がん研究センターが提唱している『がんを防ぐための12ヵ条』というものがありますが、この12のうちの8つが食生活に関連しています。このことからもガンを予防するには、食習慣がどんなに大事なのかがわかります。