肥満が悪い生活習慣を誘発する
ガンを防ぐ、ガンを再発させないための生活習慣を続けるための仕組みと工夫が必要でも重要事項としてあげられているのが、「適正な体重の維持」です。体重が増え過ぎて肥満になると、動脈硬化や高血圧、脂質異常症、糖尿病といった生活習慣病を誘発します。
また肥満は、がんのリスクも押し上げます。肝臓がんと大腸がんは、肥満が発生リスクを上げることが「ほぼ確実」であり、ことに乳がんに関しては閉経後の女性が肥満になった場合、リスク上昇が「確実」といわれています。
中高年になると誰でも代謝や運動量が少なくなり、基礎代謝が確実に減少していき、若い時と同じ内容・量の食事をしているだけでも太っていきます。
よく「食事の量は全然増やしていないのに、体重が増えてしまう」という声を耳にしますが、体の代謝が落ちれば、それに合わせて食事量を落としていかないと自然と体重は増えていきます。
炭水化物摂取をできるだけ減らして、意識して体重を適切に保つよう努力しなければ体の健康は維持できないのです。
肥満度の指標となるのが、BMIの値です。BMIは体重(kg)を身長(メートル)で2回割ることで算出できます。18.5~25の範囲が標準とされており、25を超えると肥満と判断されます。
がんや生活習慣病の予防という観点では、義男性は一般男性がBMI値が22、女性は25以下になるよう、体重をコントロールすることが重要です。
体重が増え過ぎた時にはダイエットが必要になりますが、減量の基本となるのは、食事と運動です。体重減少のための割合としては、食事:運動=9:1が効率的といわれており、やはり炭水化物などの食事制限が体重減少には有効といえます。
食事では、炭水化物などの糖質を控えて、バランスよく食べるようにしましょう。「○○だけダイエット」といったひとつの食品だけをとり続けるような方法は、わかりやすいかもしれませんが、栄養が偏りやすく、結局は長続きしないものです。
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また市販のダイエット補助食品は下剤が含まれていることが多いので注意してください。これは下剤で体の水分を失うことで一時的に体重が減っているだけなので、意味がありません。
減量したいなら、とにかく食べなければいいと考える人もいるかもしれませんが、極端な少食は、栄養不足から免疫力が低下して風邪をひきやすくなったり、筋肉量が極端に減り、代謝の悪い体となってしまいます。
体重が元にもどってリバウンドしてしまうと、減った筋肉が脂肪に置き換わり、代謝の悪い痩せにくい体となってしまいます。やはりバランスよく栄養をとりながら、1ヶ月に1~2回といったゆるやかなペースで減量を続けていくことが重要です。ダイエットでは食事と合わせて、筋肉量を増やすために適度な運動や筋トレにも取り組みましょう。
運動やスポーツ、日常の生活活動で身体活動量を増やせば、その分だけエネルギー消費が増えて、体脂肪も減少しやすくなります。
さらに毎日、体重計にのることを習慣にして、体重を記録するのもおすすめです。朝の洗顔後とか夜の入浴後など、1日のうちでタイミングを決めて体重計にのるようにすると忘れにくいうえ、食事内容や体調との関連もわかりやすくなります。
適正体重についてひとつ気をつけたいのは、日本人の場合、太り過ぎよりも痩せ過ぎの方が寿命を締めているというデータがあることです。がんについても、特に男性で、BMI が18.5 を下回るような痩せ過ぎの人では、がん全体の発生リスクが上がる「可能性あり」という指摘があります。体重は多過ぎず、かといって少な過ぎもしない、まさに「適切な体重」にコントロールしていくことが大切です。