ガン予防の基礎知識」カテゴリーアーカイブ

ガンを予防するために知っておきたいこと 食材の情報。 ガン患者の多い時代にガンを寄せつけない体をつくるための食事、運動、生活習慣。

その2、毎日変化の食生活

ワンパターンにならないように変化のある食生活を

だれにでも特定の食品に対して好き嫌いがあるので、どうしても好きなものを多めに、あるいはくり返し食べる傾向があります。問題なのは度が過ぎてワンパターンな食事内容になってしまうことです。
食品中の発がん物質の濃度は一般的に低いのですが、同じ食品ばかり食べているとリスクが高まってしまいます。たとえば牧場で大量にわらびを食べた牛に、勝胱がんが発生して問題になりました。わらびは微量の発がん物質を含んでいますが、少量を時々食べるぐらいでは心配ありません。
しかし、毎日たくさんの量を食べ続けるのは避けたほうがよいでしょう。逆に、にんじんにはがん予防効果が高いとされるβカロテンなどのカロテン類が多いからといって、にんじん中心の食事にするのではなく、それ以外の緑黄色野菜からもカロテン類をとることが望ましいのです。
ほかの緑黄色野菜から、カロテン類以外の発がんを抑制する成分や健康増進に貢献する成分を得ることができ、それぞれの成分による体内での相乗効果も期待できるからです。
つまり、さまざまな食品を取り入れて変化に富んだ食事にすれば、同じ発がん物質を食べてしまう機会や量が減り、リスクが下がります。また、さまざまな栄養素を補給することもできるので、自然に栄養のバランスが取りやすくなります。食品やメニューに変化をもたせて、品数の豊富な食生活を心がけましょう。

食事を回転させてみる

毎日変化のある食事をするコツのひとつに「回転食」という食べ方があります。朝がハムエッグなら昼は豚肉のしょうが焼き、夕食はお刺身、というようにし、3日~1 週間以上のローテーションで同じメニューが重ならないようにする方法です。家庭で前日の残りを食べることはよくあることですが、まったく同じメニューにするのではなく、残り物に1〜2品を加えて同じ食品が重ならないようにするのがおすすめです。必然的に多品目を食べることになり、リスクを分散させることができるようになります。

その1、バランスのとれた栄養

ガン予防の第一歩は食事

世界各地の疫学(実際に起こつている病気や健康に関する事象を統計的に検討する)研究の結果、がんは国や地域によって多い種類と少ない種類との偏りが見られることが明らかになりました。
この格差の原因を追及した結果、ごく一部の地域を除いて、食生活が大きく問わっていることがわかってきたのです。さらに、国や地域によって起こる違いは人種の違いによるものではなく、食生活が影響していることを示すデータも出てきました。そこで世界がん研究基金と米国がん研究機問が、がん予防と生活習慣、とくに食生活について、世界中の研究をまとめ、報告書を作成しました。
その報告書は、食品や生活習慣と発がんとのリスクの関係を「確実」「おそらく確実」「可能性がある」の3段階に分けています。つまり、がん予防については「よい」「悪い」のふたつだけに分かれるのではなく、段階的な評価がされているのが現状なのです。その報告書によると、「確実」「おそらく確実」に発がんのリスクを低下させるものとして「野菜」「果物」があります。ほかに「食事からのカロテン類」「食事からのビタミンC」も一部のがんについて予防効果が認められています。
わざわざ「食事から」と書いてあるのは、通常の食事量の野菜や果物からとる程度の量という意味で、「サプリメントによって大量にとった場合は除く」ことを意味しています。

青食は要注意、 彩り豊かな食事がよい

調査や動物実験でわかってきました。日々食べている食品のなかには、がんを引
き起こす物質、がんを抑える物質の両方が含まれていることが明らかになっています。それらの成分や働きのすべては解明されていませんが、体内で複雑に作用しあって発がんを抑える効果をもたらしているのです。ですから、偏食や加工食品の食べ過ぎは栄養のアンバランスを招くだけでなく、発がんのリスクを高めてしまう原因になります。しかも現代的な食生活では野菜や果物が不足しがちです。いろいろな食品をとることで健康を増進し、がんを抑える働きをより高めましょう。

ガンは予防できる『がんを防ぐための12カ条』

日本人の死因でもっとも多いのが「がん」です。国民の3人に1人はがんで亡くなる時代になてきました。しかし、大規模な臨床試験や地道な研究を積み重ねていくにっれて、がんの原因や治療、予防方法が徐々に明らかになってきました。

普段ちの日常生活は発がんを促すリスク(危険性) に絶えずさらされています。しかし、体にもともと備わっている治癒力である免疫機能をはじめ、発がんから体を守るさまざまなしくみが備わっていて、日々体内にできる「がん」を退治しているのです。

現代生活を送るうえで、まったくがんにかからないようにするのは無理でも、がんにかかる危険性を下げることができることがわかってきました。がんは発病するまでに長い年月がかかるので、その問に予防をするチャンスもあります。がんは、日頃の心がけや生活習慣を見直すことで予防が可能な病気なのです。

がんは、ある程度かかりにくくすることができる病気です。日常の生活のなかで、「できるだけがんのリスクを高めることはやめて、リスクを下げることを実行しよう」として生まれたのが、国立がんセンターによる「がんを防ぐための12か条」です。
がんの二大原因は「食生活(30%)」と「たばこ(30 %)」で、この「12か条」を積極的に実行すれば、がんの約60% は防げるのではないかと考えられています。

ほかにも、世界がん研究基金では『がん予防のための提言(14か条)』+「禁煙」をがん予防として提言しています。現段階でのもっとも標準的な指針ですが、「14か条は全世界を対象にしているので、日本人にはなじみがない部分がありますが、大部分が「12か条」と一致しています。
『がんを防ぐための12カ条』は、科学的根拠に基づきつつ、しかもだれにでも簡単に実行できるものばかりです。日本人の生活内容にあった「12か条」をもとに、自分自身のリスクを知ることが非常に大切です。
12か条は以下のとおりです。

『がんを防ぐための12カ条』