原発性の肝臓がんは年間に約4万人の方が発病し、3万5千人が亡くなっています。 臓器別死亡者数では、男性では肺癌、胃癌についで第3位、女性では第5位。
そんな肝臓がんを予防する検査ということでは、肝炎ウイルス検査も、一度は受けておきたい検査のひとつです。そして肝臓がんの原因の約9割は、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスなどへの感染です。
肝炎ウィルスは血液や性行為などによって感染します。よくいわれるのは母から子への母子感染や輸血による感染ですが、もっとも多いのは「感染経路が不明」というケースです。
近年は若い世代を中心に、性感染によるB型肝炎ウイルスキャリアが増えているという指摘もあります。こうした肝炎ウィルスに感染していても、基本的には自覚症状はありません。初期の頃は、健康診断の肝機能検査で異常が出ることもありません。そのため感染に気づかないうちに肝臓の炎症が進んでしまい、やがて慢性肝炎や肝硬変、肝臓がんといった深刻な疾患へと進展してしまいます。
しかし、最近ではインターフェロン療法などの治療がめざましく発展しており、早めに感染に気づいて治療を行えば、肝硬変や肝臓がんへの進行を防ぐことができます。早期発見・早期治療のためには、やはり検査が重要になるのです。肝炎ウイルス感染があるかどうかは、血液検査で調べられます。多くの自治体では、肝炎ウィルス検査を無料で行っていますし、治療が必要になった場合に医療費の補助を行っている自治体もあります。
また保健所などで、HIV(エイズウィルス) やクラミジア、梅毒といった性感染症の検査の一環として肝炎ウイルス検査を行っているところもあります。これまで一度も肝炎ウイルスの感染を調べたことがないという人は、一度、自治体に問い合わせて検査を受けておくといいでしょう。
胃や大腸の内視鏡検査を行う際にも、エチケットとして内視鏡検査を受ける全員に肝炎などの感染症の検査が必須となり、内視鏡検査時の採血でも調べることができますので、医師に確認するといいでしょう。
肝臓がん「肝硬変からがんへの変化」 | 健康メモ
https://health-memo.com/2016/08/06/%e8%82%9d%e8%87%93%e3%81%8c%e3%82%93%e3%80%8c%e8%82%9d%e7%a1%ac%e5%a4%89%e3%81%8b%e3%82%89%e3%81%8c%e3%82%93%e3%81%b8%e3%81%ae%e5%a4%89%e5%8c%96%e3%80%8d/